ヤンキース松井秀喜バッティングArchives!?

~松井のワールドチャンピオンになるまでの軌跡を見つめていきます~

Hideki Matsui is on fire right now!!
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ある記事に、外野の守備に関するランキングが発表されていた。ランナーが次の塁へ進むのを防いだり、ランナーを刺したりしたデータから算出された指標による外野手のランキング。

そのレフト外野手部門で、松井選手は、26人中6位だった。

More Guns in the Outfield: Center and Left Field

松井選手の肩はそれほど強くないとされているが、送球の正確さや、捕球してから送球への素早さがそれを大きく補っているということだろう。
更に、昨シーズン、公式戦でエラーは僅かに3個だった。(1年目:8個、2年目:7個) このことについて松井選手は次のように話している。

「慣れてきたんでしょうね。球場の特徴だとか。行くとこと引くとこの区別がだいぶつくようになったんでしょうね。色んな特長を捉えてね。そういう判断が、多少は良くなったんでしょうね。」

確かに、昨年は、球際の判断のキレがよかったように感じる。堅実な守備を今年も期待。

【参考:「マツイヒデキ」朝田武蔵著・日本経済新聞社】
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緊張のメカニズムとして、逆U字曲線というのがある。リラックス50%、緊張50%の時、最大のパフォーマンスを発揮できるといわれている。

「僕なんかは逆に緊張するような場面、例えば満塁とか、勝負を決めるような時とか、そういう時のほうが好きなんです。緊張もするし、自然と盛り上がるが、その中でやるべきこと、コントロールすべきことを頭の中で整理して打席に入る。そういうときが一番好き。」

ちょっとした心がけで誰でも緊張はコントロールできる。

トーリ監督の提唱する100%理論と言うのがある。

「80%、90%だと怠けになり、120%出そうとすることも駄目、自分の能力を100%出し切る。その能力を知るということが重要。誰でもすごいピッチャーの凄いボールは打てないんですけれど、このピッチャーのこの球だったら僕は打てるだろうとか、このピッチャーにはこうやったほうがいいだとか、それは自分の頭の中の整理の問題。いいピッチャーだけど、僕に打てる球も来るだろうという気持ちでいつも待ってます。自分の中の100%はこれだから、そこに来るまで待とうと。120%の力を出そうとすることは良くないと思う。」

100%の力を出し切るために必要なことは。

「自分の出来ること、出来ないこと、自分の中でコントロール可能なことと、不可能なことをしっかり分けて考えるということです。それを把握した上でいつもグラウンドに立とうと思っている。ブーイングなどコントロールできないことは頭の中から省いてます。」

自分の力を見極めるにはまず経験すること。

「経験があってそこから自分の中で、これは成功した、これは駄目だったというものが数多く出てくると思います。その経験を記憶していくこと。記憶力これもまた一つとても大切なこと。同じ失敗を繰り返さないということ。」

これまで、ホームランを打った場面をほとんど記憶している松井選手だが、それは意識して覚えているのではなく、自然な事だという。

緊張しないため経験や記憶と共に、松井は、ルーティンを守って集中力を高めることを大切にしている。それは、試合前も試合中もある。試合前、ロッカールームでおにぎりを食べ、日本茶を飲むということや、打席の中でのルーティン。普段リラックスしてやっている時と同じように、緊張する場面でもやるということ。

「打席の中でのルーティンは高校時代からは多少変化した。当時はあんまりそういうことは意識してなかった。その大事さに段々気づいてきた。」

最後に100%理論で一番大事なことは、自分がこうしたいという大きな目標をしっかり立てるということ。

松井選手の今年の目標は?

「やはり野球はチームスポーツですから、個人の成績も大切なんですけど、まず勝つことです。チームがチャンピオンになること。ワールドシリーズで勝ってワールドチャンピオンになることが、一番の目標です。僕の場合は、それを思うことによって、自分の一番いいパフォーマンス、自分自身の一番いい結果が、出るという風に思っている。これはもう自分の中の経験から来ている。

松井選手は、シーズンが終わると目標を見つけるために欠かさず、一年間戦ったビデオをすべて検証している。意外なことにシーズン中はほとんど見ないという。

「打席、プレーのほとんどを見返すと、色んな発見があります。自分がこういう風にやったという残っている感覚みたいなものがあるんですけど、例えば、タイミングだとかバットがもうちょっと後ろから出ているはずなのにすごい前から出ていたりだとか、形の悪いスイングをしていたりだとか、自分の感覚以上によく分かる。その誤差をVTRで調べて、次の年こういう風にやろうとか、この辺は何とかしようとか、そういうことを目標に立てていく。客観的に自分を見ることで、それがまた次の年への大きなステップとなるヒントがいっぱい隠されていると思っている。」

自分のことは天才肌だと思いますか?

「僕は野球に関しては、ことプレーに関しては、決して天才ではなかったと思います。子供の時から。今があるのは小さいことの積み重ね。」

脳科学的に言うとどういう風に努力すればいいかを知っている人が天才。

子供達へのメッセージ。

「自分の身近な目標や夢があると思うので、そういうものを目指して頑張ってほしい。子供の時は好きなものを見つけて欲しい。僕はたまたま野球というスポーツがありましたから、そういう意味では幸運でした。」

~日本テレビ「世界一受けたい授業SP」(2/4)より~

松井は楽観主義者だと捉えているが、100パーセント以上の力を出せると期待するのではなく、自分の中に持っていて、今出来る最大限のことを常に発揮しようとしていることが分かった。自分をよく見せようだとか、いいところを見せてやろうとか、そういう邪念を一切排除して、地道に"やるべきこと・出来ること"に集中する、それが、チャンスに強い松井の秘密なのかなと感じた。

そのためには、まず己を知るということが大事だと分かった。己を知れば、自分を誇大評価することも、過小評価することもなく、ありのままの自分を素直に表現できる。自分を客観的に見る目を養うことも大事なのかもしれない。

またその極限の場に置かれた時に、混乱することなく、即座に状況を整然と整理し把握する頭の回転の速さや能力が、松井にはあると感じた。

<追記>
緊張とリラックスをいいバランスで保つためには?

「それは色々経験から来るものもあるし、しっかり自分をコントロールしなくちゃいけないし、何よりもいい準備をしなければいけない。
準備段階でかなり大きく違ってくる。一日の中で野球のことを考えている時間は結構ある。一人でいる時は、考えることは非常に多い。どう対応していくか熟考することも準備。」

~ニッポン放送「ショウアップナイターストライク」(2/13)より~

2005年シーズン、松井秀喜選手が、ピッチャーの投じたコース別にどんな打撃結果が残っているのかを調べてみました。

すべての打席のデータは残っていなく、データが取れたのは、629打席中590打席。ヒットでデータが取れたのは、192本中191本。

ストライクゾーンを9分割しましたが、データを取るに当たって、1球、1球厳正にどのコースかを判別するのは難しく、かなり僕の主観が入ってしまっています。また、打球の飛んだ方向もセンターかライト、センターかレフトの判断がかなり曖昧です。そのため、今回示すデータがどれだけ信憑性を持っているかは、はなはだ疑問です。参考にもならないかもしれませんが、一応、折角調べたのでアップします。

以下に示す表は、コース別打率です。採取できたデータは、590打数191安打となり、打率は実際よりかなり高く、打率 .324となってしまうので、コース別打率も実際より高い値になっいると思われます。表の中、打率の横のカッコは(打数-安打)です。

<コース別打率>
in-hi mid-hi out-hi
.308 (26-8)
本塁打1
三   振5
.325 (40-13)
本塁打2
三   振6
.143 (28-4)
本塁打1
三   振7
in-mid mid-mid out-mid
.281 (64-18)
本塁打4
三   振4
.439 (98-43)
本塁打7
三   振3
.348 (92-32)
本塁打1
三   振7
in-low mid-low out-low
.395 (43-17)
本塁打3
三   振5
.342 (79-27)
本塁打3
三   振9
.242 (120-29)
本塁打1
三   振24


[out-mid]は92打席、[out-low]は120打席で2つ合わせると全体の36%になる。やはり相手投手は、基本的に外角低め中心の攻めだったことをうかがわせる。松井は、基本的にタイミングを外のストレートに合わせているという。
昨シーズンを振り返ってホームランが減ったことについて「追いかけてしまったという事ですね。やっぱりどうしてもその打ちたい打ちたいという気持ちが強くてね、ストライクゾーンに来たら打たなくていいボールまで打ってしまったという事ですね。何でこの球を打たなかったんだろうかというより、何でこの球に手を出しちゃったのだろうかというかね。」 と答えている。外角低め辺りの球を打った打席が多いのは、追いかけて強引に打ちにいった打席が多かったことにも起因しているのかもしれない。
来シーズンは、松井が外角の厳しい攻めに対してある程度我慢して、限界まで甘い球を待つ姿が多く見られるかもしれない。

[in-low]は、他のゾーンと比て意外に打率が高かった。松井は、左投手の肩口から入ってくる変化球を得意としていて、「肩口からのカーブは左打者は軌道がよく見えるんだよね。」と語っている。更に低めは、バットとボールの距離が十分に取れるためヒットの確率が上がるのだろうか。


以下に示すグラフは、コース別打撃内容の統計です。グラフの中のヒットの項目は、内野安打とホームランを除いた安打数です。

2005_in_hi 2005_in_mid 2005_in_low 2005_mid_hi 2005_mid_mid 2005_mid_low 2005_out_hi 2005_out_mid 2005_out_low


[out-mid]と[out-low]は、外寄りのコースにもかかわらず、非常にライト方向へのゴロが多いという印象。外角のコースに限ったことではないが、ゴロになる要因について松井は、右方向に強い打球を打とうとして強引になることを挙げている。その意識によって、バットが早く返ってしまう、すなわち本来バットをボールの下に打ち込まないといけないのが、手首が早く返ってボールの上っ面をたたいてしまうということだった。更に、右方向に強い打球を打とうとすることは、体の開きが早くなる一因にもなるのかなと思う。そして、それは対応能力の低い状態と松井は語っている。
このようなバッティングの崩れが、特に外寄りの球に対して強く出てしまうのかも。
シーズン中、外角の球を左方向への強く打てるかどうかが、調子のバロメーターになるのではないかと感じていた。体の開きがなく良いバランスでボールを捉えている時は、自然とレフト方向へ打球が飛んでいたのでは。

[out-mid]、[out-low]で打球方向別打撃結果は、以下の通り。

[out-mid]において
・レフト方向へ飛んだ打席の中でヒットになった割合・・・.368 (38-14)
・センター方向へ飛んだ打席の中でヒットになった割合・・.577 (26-15)
・ライト方向へ飛んだ打席の中でヒットになった割合・・・.143 (21-3)

[out-low]において
・レフト方向へ飛んだ打席の中でヒットになった割合・・・.361 (36-13)
・センター方向へ飛んだ打席の中でヒットになった割合・・.440 (25-11)
・ライト方向へ飛んだ打席の中でヒットになった割合・・・.143 (35-5)

このデータから外角への球を右方向への打った時は、極端に打率が低くなることが分かる。外寄りの球は、いかにセンターから左方向へ打球を飛ばせるかが、今後鍵となってくる。

松井も昨シーズンを振り返るインタビューで、「昨年(2004年シーズン)は左への長打を意識したが、今年(2005年シーズン)はそうは見えなかった。」という質問に「そういう意識はもう持たなくても大丈夫だな、と思ってしまった。でも、再認識させられた。やっぱり、大きいのを打つには(左への)意識は持っていないと難しい。来年へのテーマにする。外に逃げていくボールの方が、内に入ってくるボールより多いわけだから、レフトに強い打球を打つ意識を持てるようになればいい。」と語っている。 ここで重要なのは、「大きいのを打つには(左への)意識は持っていないと難しい。」という部分ではないかと感じる。左へ強い打球を打てる状態の時は、全方向に大きな打球を打てる良いバッティングの状態ということを示しているのかもしれない。

来シーズン、松井は、外角球への対応能力向上のために、何らかの工夫や対策をしてくるのでは。それは、ホームラン数増加にも欠かせない。外角球をレフト方向へホームランにするシーンが多く見られることを願っています。

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「結果からいうと一年間通じて思い通りのバッティングが出来なかったという感じ。」

「4番だからどうのこうのというより、僕個人に期待されているのは、いい場面で走者を還すことだったり打点の多さだったり。ホームランはトーリの野球ではそんなには重要視していない。」

今シーズンの打撃のテーマは"ボールを長く見る"だった。メジャーの投手の独特の動くボールに対してより体の近くで見極めたいと考えた。

「ボールを長く見るという打者としての感覚は、永遠のテーマだと思っている。年々そういうものへ近づいていっているんじゃないかというふうには感じているんですけど。」

その感覚を感じたのは昨シーズンのこと。9月24日、マルティネスに対してホームランを打った場面でこれまでにない手ごたえを感じた。

「その日に構えたときのスタンスを変えた。ちょっとオープン気味に構えて、そこから右足をステップしていきますよね。そのときに、ボールを見る間が非常に長く感じられた。」

2005年、キャンプでその感覚を確かなものにする取り組みが続けられた。バッティングフォームを少し変えトップの手の位置を調整した。

マッティングリー打撃コーチ:「ボールをより捉えやすくするために、スイングした時にもう少しだけ腕を上げて振るようにした。」

修正のポイントは手の使い方。ボールが来るタイミングで今までより少し手を上げる。そしてボールに向かって一気に振り下ろす。勢いのあるスイングで強い打球を打てるというものだった。

最高の開幕スタートを迎えた松井。

「こちらの投手に慣れて来たというのもあるんですが、非常に今年のバッティングについては手ごたえを感じていたし、感じとしては良かった。」

その後、相手チームは松井を警戒し勝負を避けられる場面が増えた。すると松井のリズムが崩れていいった。無理に打ちにいくことで凡打が増えた。

「ボール球に手を出したり、ストライクでも打たなくていいボールに手を出したり、自分の意識してない部分でそういう悪循環があったような気がする。」

その後2ヶ月ホームランが出なかった。

マッティングリー:「チームが不調で勝てないとき松井は頑張りすぎてしまう。まず走者をためるべき場面でも、ここでホームランをと気負い過ぎてしまう。」

5月31日、ティーバッティングによる特打ちを松井はマッティングリーとしていた。

マッティングリー:「ボールを打つタイミングがズレていると感じたので、ティーにボールを置いて位置を動かしながらボールに当てるポイントを確認させたかった。」

その後の試合でホームランは出たものの調子の上がらない松井は、キャンプの時の"ボールを長く見る"という意識を取り戻そうとしていた。

そして迎えた6月11日のカーディナルス戦で松井は感覚を掴む。

「一言で言うと非常に軸足に残る時間が長く感じられ、それによってボールを長く見る感じが徐々に出てきた。」

8月末、松井は2番に指名される。しかし、なかなかリズムを掴めなかった。

「ずっと子供の頃から3、4、5番を打つことが多かったので、そのリズムが体に自然と染み付いていて2番に合わせるのはちょっと難しかった。」

9月13日、松井は5番に戻っていたものの、バッティングは本調子ではなかった。しかし、この試合で4安打4打点の活躍を見せた。

「あの試合くらいからまた非常にいい感じが出始めた。スイングの軌道も良かったし、ボールも非常にいい状態で見ることが出来ていたし、いい状態だった。」

調子を取り戻した松井の打撃。特に右方向への強い打球が増えた。この当たりに松井は満足していた。

「速いピッチャーにしっかりセンター方向に入っていって、右方向に強い打球が打てる時は基本的にいい時。」

エンジェルスとの地区シリーズ。第3戦まで好調の続いていた松井。第4戦でエンジェルスは松井への攻め方を変えてきた。エンジェルスは内角で勝負してきた。

「第3戦目までインコースは、ほとんどボールだった。そして基本的には外でカウントを取るというシーズン中の攻めとほとんど変わらなかった。だから、どちらかと言うとアウトコースを意識していればある程度いい対応が出来るという感じだった。第4戦、5戦目は、結構インコースの速いボールでストライクゾーンで詰まらせるというか、それと外の緩いボールというか基本と言えば基本なんですが、そのコントロールが非常に素晴らしかった。」

エンジェルスの配球にリズムを狂わされた松井。

第5戦目、最終打席、松井はファーストゴロに倒れる。

「自分の中で一つ悔いにのこるのは2球目のボール球を振ってしまったことですね。あの打席は、4球すべてスライダーだったんですが、2球目のスライダーを振ったことでどうしても不利な打席にはなってしまいましたよね。」

松井はワールドチャンピオンへの道を閉ざした責任を感じていた。

トーリ監督:「地区シリーズに敗れた後、松井が勝てなかったのは自分のせいですと言ってきた。私は選手みんなが君のような気持ちを持つべきだねと言いました。でもすべて終わったことです。松井はもちろんチーム全員が全力で戦ってくれたことに敬意を表したい。」

ボールを長く見る感覚を確かなものとし長打力を延ばそうとした今シーズン。しかし理想のバッティングは長続きせずホームランは昨シーズンを下回った。

「ホームランを期待されていないとしても、前の年の成績を下回るというのは僕の中で簡単に許せることではない。非常に甘かった、もう少し何とかできたのではというのが残る。」

トーリ:「松井はチームにとって、とても大切な存在です。ホームランだけではなく、多彩なプレーをしてくれます。監督としてチャンスの場面で一番頼りになるバッター。それは松井以外には考えられない。」

「監督の僕に対する期待ももちろん大きくなっているでしょうし、僕自身もそういう期待にしっかりこたえたいという気持ちは強いし、ちゃんとやれば応えられるという自信はあるし、自分自身の可能性をしっかり信じてやっていきたい。」

~NHK「日本人メジャーリーガーの群像」(12/23)より~

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●ホームランが減少した要因について

「昨年31本ホームランを打って、きちんとしたスイングをして相手投手に対応していれば、ある程度ホームランや長打に対して自信が持てるようになった。それさえ出来れば自然とホームランは出ると思っていた。しかし、自分の中ではいつも同じバッティングをしているつもりでも、心の中の潜在要素が悪影響を及ぼした可能性はある。」

試行錯誤の日々
「その時その時で良くなろうとして色々考えてやるんですけどね。」
・ボールを長く見る感覚を掴むためにはこういう風にしようだとか。
・確率良くするためにボールを最後まで見て、右肩の開きを最後まで抑えるだとか。
「それもまぁ、多少やりすぎたなぁと思う時もあって。もうちょっと我慢してやればよかったなぁだとか。でも変わることも必要なんですけど。」

「練習中とか普段、考えすぎると、それが試合まで入ってくることがたまにある。」

シーズン中であっても更なるレベルアップを目指し、松井は常に試行錯誤を繰り返してきた。しかし、それが実践に影響するほど意識しすぎてしまい、昨シーズン31本のホームランを打ったバッティングフォームを崩してしまっていたという。

現状と進化のバランスが取れたとき更なる飛躍が見られるのでは。

●今シーズンの松井選手を紐解く3つのキーワード。

1.「げが」
4月後半から5月にかけて松井選手の打率が悪かった時、首筋を痛めていた。これによって寝つきが良くなかったり、頭痛が出たりする状況が2週間前後続いて、体調が最悪だったという。原因は花粉症ではないか。
2.「過信」
ジャイアンツ時代からホームランを狙いにいくとドツボにはまるという認識が、松井選手の中にはある。だから、そうはしないし、しないようには心がけているつもりだった。ホームランを狙わないことがホームランを打てることだと。しかし、シーズンが終わって振り返ってみると、やはりホームランを潜在意識の中で狙ってしまっていたと松井は考えた。四球を選ぶことは勝ちだと分かっていても、ホームランを打ちたいがために、ボール球に手を出してしまっていた時もあった。このことが分かっただけでも今シーズンは良かったと松井は言った。
3.「打点」
4月、5月ホームランが打てなくてもモチベーションを保てたのは、打点を挙げることが出来ていたからだった。松井選手の根本的な意識で、勝利なくして成長なしというのがある。それが一番表れているのが打点という事になる。

現段階では、フォームをいじることはなく、今年のままでいって大丈夫だろうと考えているらしい。あとは、潜在意識の部分をいかにコントロールできるか。試合の3時間をいかに集中してプレーでき、いい状態に持っていけるか考え、残りの21時間を最大限に有効的に過ごすことが大切だ。

~テレビ朝日「GetSports」(12/25)より~

●トーリ監督への思い

ミーティングなどでトーリ監督の話を聞いていると、自分の考えていることだとか野球に対して思っていることだとか、人間としてどうあるべきだとかそういう話は、僕と近いものがあるなと感じる。そういう意味では最高のマネージャーと出会えたなと思う。

●ボストン戦について

ファンの殺気立った熱気が伝わってくるが、その中でプレーすることは好き。試合になったらどういう試合でもやることは一緒ですけど、ああいう雰囲気の中でも、それをきっちりやり抜いていい結果を出して勝つ、その喜びはなんとも言えないですよね。そういう試合だからこそ普段通りやる。それが僕にとってはそれほど難しいことではないんですけど、あの雰囲気の中でそれをやるというのが快感なんですよね。
小さいときからいろんな場面を経験してきて、訓練と言うかそこで得てきたものでしょうけど、どういう場面であっても、ここに集中しなければいけないというものが、必ず見つかってくると思うんです。いかにそこに集中するかによって、いつも通り出来るかという事だと思う。そこに集中することによってそういうことは考えないと言うか、逆に考えられないくらいに自分の今やらなければならないことに集中する、ただそれだけなんですけどね。

●ここ一番という時にどう気持ちで臨んでいるか

"何に集中するか"僕はそれだけしか考えない。なるべくいい事しか考えない。だからここでこういうピッチングをされたら嫌だなとかそういう風に考えるんじゃなくて、相手はミスするものだと思って相手からある程度甘い球が来るんじゃないかという事をイメージして、いつもいっています。

●2005年を振り返って

ホームランが出ない時期はありましたが僕の中ではやり抜いたという気持ちはある。ただ唯一残念だったことはポストシーズン勝てなかったという事ですね。

広岡:「ポーカーフェイスなので調子が悪い時でも周りに八つ当たりすることもなく、機嫌損ねることもない。調子がいい時は、結構手がつけられない時もある。基本的には外的要素で変わるようなことはない。」

不調でも物凄く辛い状況になることはない。不調はつきものだから、いい時、悪い時あって当たり前。体調さえ良ければ、元気にグラウンドにさえ立てればこれはもう何もないですね。相手もあることだし、自分自身の調子の波があるのは当然だし、いかに元気にグラウンドにいけるかだけですよね。あんまり窮屈に考えすぎないようにはしている。

僕も3年間ヤンキースでやってきて、新たに契約を結んだので、今まで以上にチームの勝利というものに対して強い気持ちを持って、チームの勝利のために何が出来るか責任感を感じながらすべてやっていきたい。

●来季への抱負

マンハッタンパレード

~フジテレビ「3年目のニューヨーク物語」(12/30)より~

年末にきて各メディアで松井選手の特集が組まれていた。

松井秀喜ベースボールミュージアムにて松井秀喜の1号からこれまでのホームランカードを大きく引き伸ばしたパネルがありましたけど、あれを見て改めて思ったのですが、ホームランを打つ瞬間と言うのは、歯を食いしばっているか、ほっぺたを膨らましているかなんですね。

「全く意識してないんですけどね。やはり相当力が入っているんでしょうね。本当はガッと力が入るのはよくないんでしょうけどね。顔にね。本当はふざけたぐらいねリラックスした顔で打っていればもっといいんでしょうけど。それもね、まだまだこれからある意味では改良の余地があるという事なんですよ。いかにリラックスして打つかが問題ですから。顔も緊張していると僕としてはよくない。そういう意味では、ああいうものを見ながらもね、松井秀喜まだまだだ、こういうところが出来てないと思ったりもするんですけどね。」

~ニッポン放送「ショウアップナイターストライク」(12/19)より~


2005年オープン戦、松井自身は手ごたえを感じていた。そして、開幕直前のインタビュー。

「ファンの方の期待というのは、もう僕からしてみればどんどん期待してくださっていいし。技術的にだいぶ自信が持てるようになってきたんでしょうね。自分のバッティングに対して。だからこそ、特別何か、何かをやろうとかそういうものが無くなってきたんだと思いますけどね。」

開幕戦からいいスタートを切った松井。しかし、突然松井のバットから快音が消える。自己ワーストを更新する203打席ホームランなし。外角が打てない。打率も.260まで落ちた。チームも8年ぶりの最下位に低迷。決して泣き言を言わない男は、自分の中で苛立っていた。気分転換に車を走らせることも多かった。

「常に出来ることはやっているつもりですけどね。でもやっぱり勝たないとね。勝たないといけないですけど、勝たなくちゃいけないチームにいるし。全員がそういう気持ちでプレーしていかないと難しいでしょうね。特にこのチームは。自分さえよければいいだとか、そういう考えでやっている選手がいたら、もうチームは上手く行かないでしょうね。たぶん。ある意味特別なチームなんですよね。常に注目されているし、相手からも常に普段以上の力を引き出すわけですよ。やっぱり。ヤンキースというチームだけでね。相手がヤンキースというだけで。それを跳ね返していかなければいけないわけですから。なかなか1人でね、立ち向かっていけない環境だと思いますよ。例えば1人のスーパースターがいるとしますよね。そういう選手でも1人でヤンキースというチームを何とかし・・・。出来ないと思うな。僕は。まず歴史的にそうですよね。スーパースターは何人も出ているけど、そういうスーパースターと同じようなスターがまだいたりとかね。結局は、そのサポートのし合いが出来ていたからこそ強かったと思うんです。そういう選手達が、そういう気持ちを持っていかないと良くなっていかないような気がしますけどね。」

シーズン終盤の10月1日。

「ここに来て本当になんというか、チームとしての力がね出てると思いますよ。本来はね、自力が出ているということは、ある意味それは強い証拠だと思いますよ。この時期に来るというのはね。いいことだと思ってますけどね。苦しみましたけどね。」

シーズンが終了して。

「ある程度自信を持って開幕は迎えていたんですけど、開幕直後も非常にいい状態だったし、ある程度手ごたえを感じていたんですけどね。ホームランが打てると言う自信がどっかにあったんでしょうけど、相手もそう簡単に打たせてくれないという事ですよね。要は、ホームランが確率よく出るか出ないかそこだけだと思いますから、かっこよくいえば"見切って打つ"それぐらいの感覚がつかめるようになりたいですよね。まあこれは永遠のテーマかもしれないですけど。そのために自分はちょっとこういう風にしていこうだとか、アイディアは持っているんで、最初はそういうところから始めていきたいですね。」

~TBS「NEWS23・松井秀喜 05年の足跡」(12/19)より~


シーズン終盤、9月30日対レッドソックス戦直前のインタビュー。

「こういう試合をやるのは好きですよ。楽に勝てるのが一番いいけど、この時期にこういう試合が出来るのは30チームもあるけどほんの何チームしかいないわけでしょ。その中で自分がやれると言うのは幸せなことだし。気持ちは普段と一緒ですよ。ただ目に見えない緊迫感だとか雰囲気だとかそういうものが自然と自分の力に影響することは十分考えられるでしょうけど。」

気持ちは一緒。野球に於いて平常心を保ち、そう考えることが松井秀喜の夢に近づくためのキーワードだった。平常心でいられること、それは松井が普段から一番誇りにする部分だ。

~フジテレビ「すぽると・THE MESSAGE」(12/12)より~


ヤンキースの松井秀喜外野手(31)が20日、東京・神田のミズノ東京本社を電撃訪問し、2006年シーズン用のバットとグラブを発注した。すでに来季に向けて準備は着々だ。

この日昼過ぎに同社を電撃訪問。3時間以上もグラブ担当の坪田信義氏(72)、バット担当の久保田五十一氏(62)の"名人"と意見交換をしながら、来季用のバットとグラブを発注した。

「バットはまったく今年のものと変えませんでした。前年と比べて何もいじらないのは、プロになってから初めてじゃないかな」

プロ入り以来、毎オフ必ずバットに微調整を加えてきたが、2006年モデルは今季のバットそのまま。「それだけしっくりきていたということです」と今季使用したメープル素材、全長86・5センチ、重さ約900グラムのゴジラバットを来季も継続使用。今のところの"完成形"といっていい。

 グラブは「まわりが硬くて、中が軟らかいイメージ」と親指と小指の部分に芯を入れる微調整を加えた。来季の世界一を目指して、ゴジラの準備に抜かりはない。

~「サンケイスポーツ」(12月21日)~

これまでのインタビューとは一味違い、一歩も二歩も踏み込んで松井秀喜が本音を語っていた。


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「うん。まぁ残念なね、悔しいシーズンでしたね。まあ、一番印象に残っている一日なんですけど。一言で言えば力がなかったという事ですね。」

それは松井にとって決して忘れることの出来ない運命の瞬間。プレーオフ、ディビジョンシリーズ、最終戦。度重なるチャンスを活かせぬまま、迎えた9回。一打逆転という絶好のチャンスに松井は、ファーストゴロ。松井の一打で戦いの幕を閉じた。

―あの日の気分は?

「うーん。それはもう重いですね。まぁ打てなかったし、最後もチャンスで凡退で最後の打者になって、よりによって帰りの飛行機が故障してですね、NYまでの道のりも非常に長くてですね、最悪の一日でしたけど。
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あそこで何とかしてればね。後ろにつなげてればね。2球目のボール球のスライダーに手を出してしまったというね。あれが最後まで抜けなくてですね。そこであれをちゃんと見送れていたらね、もう少し違った打席が出来たんじゃないかなと思ったりとかして。もうどうでもいい細かいところまで考えたりしましたね。やっぱり。まぁ、どうでもよくはないんですけどね。」

確かに優勝は逃したが、今シーズンの松井は決して悪くはなかった。メジャー初の3割、3年連続の100打点、ただ一つホームランを除けば。

「まぁ、ホームラン意外はねそこそこだと思いますけどね。やはりホームランが減ってしまったというのは、ちょっと甘かったなというかねそういう感じがしますけどね。」

―甘かったというと?

「去年31本打って、普通に準備してやっていけばねホームランは打てるていうそういう自信がどっかにあったんでしょうけど、相手はそう簡単には打たしてくれないという事ですよね。僕は相手がどういう攻めをしても、基本的にはね、自分さえしっかりしていれば何とかなると思ってるんですけど。まぁ自分がしっかり出来なかったという事ですよね。やはり追いかけてしまったという事ですね。」

―追いかけてしまった?

やっぱりどうしてもその打ちたい打ちたいという気持ちが強くてね、ストライクゾーンに来たら打たなくていいボールまで打ってしまったという事ですね。何でこの球を打たなかったんだろうかというより、何でこの球に手を出しちゃったのだろうかというかね。日本にいた頃はね、もっともっと確率良く打てたし、まぁそれは普通にね感じることですけど。そういうバッターになれる可能性というのは持ってるつもりですけど。」

そんな松井の可能性をチームは最大限に評価した。およそ62億円での4年契約。日本人史上最高額という破格の条件。

「それだけね、チームが松井秀喜というプレーヤーにね、大きいものを期待している証拠だと思うし。色んなことを僕に期待してると思うんですよね。ある意味なんでも出来るというふうに思ってると思いますから。日本の皆さんは、そんなこと言うとがっかりするかもしれないんですけど、逆にホームランはあんまり期待していないと思うんですよ、トーレはね。僕に対して。ですから、なんでも出来るというところも見せていかなきゃいけないですよね。」

とはいえ、日本のファンが期待しているのはやはりホームラン。すべては来シーズン。果たして松井の追い求める理想のバッティングとは。

「ちゃんとその自分がやろうとすることをちゃんと出来るかどうかですよね。邪魔する要素は色々ありますけど、もちろん相手もあることだし。」

―具体的には?

「もうそれは、(頭の中では)出来ているんですけどね。あんまり細かいことまではいえないんですけど、理想とする感覚というかそういうものが、やっぱりありますから。一言で言えば、ボールを長く見れる感覚ですね。それを掴める事によって絶対対応能力は上がるし、強く振れるだろうし、かっこよく言えば"見切って打つ"。それぐらいのね、感覚が掴めるようになりたいですよね。これは永遠のテーマなのかもしれないですけど。アイディアをねもう持っているんで、最初はそういうところから始めていきたいなと思っていますけど。」

そしてもう一つ、松井にはかねてから抱いていた密かな夢が。

「僕個人的なわがままを言わせてらうと、正直センターをやりたいですよ。僕はセンターの方が好きなんですよね。一言で言うと好きだし、やはりヤンキースのセンターフィールダーといえばねジョー・ディマジオ、ミッキー・マントル、バーニー・ウィリアムス、そういう伝説のプレーヤー達がね感じていた空気というものをね、同じ空気を感じながらプレーするという事が、いいふうに作用してくれるんじゃないかと思っているんですけどね。」

―チームにはその想いを伝えたか?

「いや伝えてないです。言うのは別にいいんですけど、彼らの構想は彼らの構想ですから。やれと言われれば喜んでやりますけどね。」

それはメジャー3年目にして初めて口にした小さなわがまま。

~TBS「Jスポーツ」(12/4)より~


松井秀喜が語る飛躍への体と心。

▽体力が技術を助ける
▽"A・ロッド"を参考に
 ピンストライプのユニホームで頂点を目指し続ける。4年総額5200万ドル(約63億円)の大型契約でヤンキースに残留した松井秀喜外野手が、ニューヨークで来季の抱負を語った。

 11月16日、再契約した直後の会見で目標を問われると「毎日一番いい状態でグラウンドに立つ。毎試合、それを4年間続けられたらいい」と即答した。

-全試合出るのは簡単なことではないが。
「それができればいいものが出せる。当たり前のことでもあるけど、一番難しいことでもある。30歳を超えて、これから体力的にどう変わってくるのか。すごく大きな鍵になる。技術面も大切だけど、それ以上に体力面を大切にすることが、技術の助けになる」

 練習法や体調管理について「いつまでも"日本の野球"を続けない方がいい」と基本的にチームの方針に従ってきた。

-何か変化は。
「メンテナンスの大切さはより感じる。あまりマッサージも受けなかったけど、これからは考えないといけない。整体の先生に日本から来てもらっても、期間が限定されるので、定期的にもっといろんなことをやらなくてはいけない。こちらにいる人にもサポートしてもらわなくては、と考えている」

 日本時代は並ぶ者のない鉄人と言われたが、大リーグでは自分よりもタフな選手に圧倒されることもある。たとえば、同僚のアレックス・ロドリゲス内野手は全試合出場で打率3割2分1厘、48本塁打を記録した。

-"A・ロッド"のすごさは。
「体力的にはちょっと飛び抜けている。彼のすごさはそこでしょう。もちろん技術的にも素晴らしいんだろうけど、年間通じて体力的に非常に高いところを維持している。素質もあるが、練習量が豊富で、なおかつあれだけ元気というのは、すごい。普段の生活のリズムだとか、メンテナンスだとか、確かに興味がある。その辺をちょっと聞いてみたい」

 今回結んだ契約が終わる2009年秋には35歳になっている。

-そこから「もう一勝負できる」と言うのは。
「僕の中では35歳はそう。35歳だから落ちてくる時期だ、というふうにはとらえていない。今以上の状態を保っていれば、そこでまた勝負できる、と思っている」(


▽同時に3割30本100打点
▽左方向への意識を持つ
 初の打率3割を記録したシーズンだった。安打数、塁打、打点でも自己最多。だが、本塁打は前年から8本減った。米大リーグ、ヤンキースの松井秀喜外野手は4年目の打撃をどう見据えているのか。

-数字上の違い(7厘)は大きくないが。
「違いはある。(3割は)打者にとっては一つの区切りになる。経験できたという意味ではすごく大きい。僕にとって良かったのは、最後までチームがギリギリの戦いを続けていたこと。だからこそ、最後まで3割という目標を感じない戦いができて、ああいうふうに超えていったのだと思う」

 日本では本塁打、打点のタイトルを手にし、9年目に首位打者を取ってから、三冠王狙いを公言した。大リーグでは1年目に100打点、2年目に30本塁打、3年目に3割を達成。

-次にくる目標は。
「すべての部門で、今までの最高以上のものを出したい。(3割、30本、100打点)すべてを経験した。これを1シーズンで出せるようになればいい」

-昨年は左への長打を意識したが、今年はそうは見えなかった。
「そういう意識はもう持たなくても大丈夫だな、と思ってしまった。でも、再認識させられた。やっぱり、大きいのを打つには(左への)意識は持っていないと難しい。来年へのテーマにする。外に逃げていくボールの方が、内に入ってくるボールより多いわけだから、レフトに強い打球を打つ意識を持てるようになればいい。

 日本で最後の4シーズン打率が上がり続け、50本塁打につながった。

-大リーグで3年連続打率上昇はいい兆候だ。
「そういうふうに思っている。いろんなことが分かってきたし、吸収できてきた。それで率が上がってきていると思うし、いい兆候だと思う。当たり前といえば、当たり前。率が伴わないで本塁打が増えるとは考えていない。二つはリンクしているもの。どちらかが上がって、どちらかが下がるのでなく、どちらも上がっていくものと考えている。

~(共同通信社・ニューヨーク共同)~


今シーズン、松井選手は絶好調時ある感覚を掴んでいるように見えた。以前松井は、「バッティングに絶対は無いよね。はっきり言って。これは間違いない。絶対はあるんだろうけども、それを掴んだとしても、それを体感できたとしても、いなくなる。ずっとはいてくれない。」と話している。そして今回、理想とするバッティングを松井選手はボールを長く見る間合い・タメを手にする感覚だと表現した。これはシーズン当初から松井が口にしていたこと。そして今シーズン、絶好調の時期に間違いなくこの絶対の感覚を味わっていたのだろう。それで松井選手は今シーズン取り組んで来たバッティングへのアプローチが、ある程度正しかったと手応えを感じたんじゃないかと思う。今季戦ってみて、確固たる根拠を元に、まだまだやれる、もっといい成績を残せるという自信がこのインタビューへ表れている気がした。来季は、大幅なバッティングの変更ではなく、今年掴んだあの感覚を更に追求していくという事になるのかなと感じた。

今季、調子を落とした時、松井選手は外角の球を追いかけ、結果的に引っ掛けて内野ゴロというのが目立った。インタビュー中の"追いかけてしまった"というのは、この外角への対応の仕方を言っているのだと思う。無理に追いかけることなく、しっかり見極めた上で、松井の形を崩さずレフト方向への強い打球(今シーズン、特に好調時に多く見られた)が増えていけばいいな。これを実現できるかどうかは、やはりいい状態でボールを長く見る感覚が不可欠となってくるのでは。

松井選手は今シーズン達成感はまるでないと話した。"一体俺は今年何をやっていたんだ"とまで表現した。 しかし来シーズンへの足掛かりはきちんと掴んだ実りあるシーズンだったように感じる。
来季に向け話す松井選手は、まだプロ野球に入りたての新人選手のように初々しく輝いて見えた。メジャー4年目まだまだ大きな可能性を秘めて来季への準備を進める。

最近の松井選手は、立ち振る舞いや発言の内容が、洗練され、また重みを増し、ますますかっこよくなってきていると感じる。いい年の取り方をしているなぁ。

<松井秀喜の2005年・カウント別打率>
0ストライク ______ .372 (188打数70安打)
1ストライク ______ .304 (181打数55安打)
2ストライク ______ .258 (260打数67安打)

松井秀喜外野手が、11月29日、成田着の航空機で、帰国した。今年もシーズン通して活躍し、無事元気な姿で帰国しくれました。(パチパチパチ)

都内での記者会見の様子。


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「一言で言えば、すごく残念なシーズンだった。毎年、一番最後までプレーしたいと思いながらやっているが、うまくいかず今年もそれは、かなわなかった。個人的には全力を尽くしたが、ファンの皆様のご期待に応えられたとは思っていない。」

「日本のみなさんはホームランをもっと多く打つことを期待されていると思うし、そういう意味では残念な思いをさせてしまった。来年また頑張りたい。」

―ホームラン減少について。

「ひと言で言うと甘かった。準備不足もあった。去年打って多少自信がついて、ことしも普通にやればいけるだろうという気持ちがあった。」

―油断か?

「そうではない。相手があること。もう少し対策をすればよかった。いろんなことが徹底しきれなかった。」

「来季に向けた考えやプランは持っている。まだまだいい成績を残せるという可能性を信じて、これからもやっていくつもりだし、しっかり準備していきたい。」


シーズンを終え、初めて公式の場に姿を現した松井選手。そこで話されたことは、ファンのことを第一に考えた言葉ばかりだった。責任感が強く、謙虚な松井選手らしさが全面に出ていた。一年間、お疲れ様でした。日本で身近な人たちと過ごす心休まる休息が十分取れて、来季への充実した準備が出来ることを祈っております。と思っていたらサンケイスポーツにこんな記事が載っていた。

ヤ軍との再契約交渉の余波などで例年に比べて調整が遅れ気味のため、オフの取材を制限し、年末年始も返上して来年2月の再渡米までの“無休トレ”を計画していることが判明。

そんな“決意”の証明として、松井秀は『約束3カ条』のメッセージを送った。

 「ニューヨークではゆっくりと休めましたがその分、みっちりと練習しないといけません。」

 「来年の渡米まで休まずに練習するつもりです。」

 「このオフは皆さんの前に姿を現す機会は減りますがその分、来年を楽しみにしていてください。」


フレ~フレ~、松井選手!!

松井選手がテレビでインタビューに答えていた。


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「また新たにヤンキースから非常にいいオファーをしていただいて、またここでプレーできることになったわけですから、今まで以上に大きな責任感を持ってまたグラウンドに立ちたいという風には思っていますけど。」

松井選手、メジャー3年目は、自己最高となる打率.305、打点116、安打192安打という好成績をマーク。ヤンキースにとって欠かせない存在となりました。

「3割を初めて打てたという事に関しては、これは大きいと思いますよね。ある意味なんでも出来る存在、なんでも期待されているというか、またそれにねすべていい形で応えられるような準備はいつもしてるつもりだし。」

9月には日米通算400号ホームランを達成した松井選手。しかしホームラン数だけは、去年の31本から23本に減少。これには松井選手も納得していません。

「成績を下回ると言うのは、僕の中では、簡単に許せることではない。個人的にはね。ですから非常にその、う~ん、なんていうんですかね、まあ甘かったなというかね、もう少し何とかできたんじゃないかという気持ちは残りますよね。」

松井選手が今シーズン、最も印象に残っている試合は、9月13日のデビルレイズ戦。終盤の20連戦の初戦です。ここで松井選手は、4打数4安打の大活躍。松井選手の猛打でヤンキースは勢いづき、逆転優勝の原動力となったのです。

「あの試合くらいから非常に、いい感じがまた出始めたという感じはしてます。潜在的に気持ちの中で、絶対負けられないというかね、そういう気持ちもやはりあっただろうし、そういう中でいい集中力が出たんじゃないかと思います。」

一方で悔しくて忘れられない試合もありました。エンジェルスとのプレーオフ地区シリーズの最終戦。5-3と2点を追う9回、ランナーを2人おいてバッターは松井選手。最後のバッターとなった松井選手。メジャー3年目で最も早いシーズン終了でした。

「まあ僕が野球を始めてから、どれだけのバッターボックスを経験したか分かんないですけど、この試合で勝敗が決まるという中で、9回2アウトで打席が回ってきたというのは、たぶん初めてだと思うんですけど。珍しくあの打席がずーっと頭に残っていますね。最後の打席がね。正直なところ、すぐにはね、来シーズンへと切り替えられたかといったら、なかなかそうはいかなかったですよね。」

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今年もワールドチャンピオンには手の届かなかった松井選手。メジャー4年目にむけ更なる飛躍を誓います。

「また今年は今年の反省点があるし、そういうものをしっかり踏まえて新たに準備していけばね、また違ったバッティングが、今まで以上のいいバッティングが見せられるんじゃないかと思っています。」

~NHK「サタデースポーツ」(11/26)より~


松井選手が最後の打席となった今シーズン。あの場面、松井選手の手の中に確かに未来はあった。松井選手の手で未来を変えることが出来た。そこに対するもどかしさや悔しさがずっと心のどこかに引っかかっていたのだろう。この苦しみや葛藤は、シーズンを通してチームの危機や本人の大きな不振を経験し、戦い抜いてきた松井選手にしか分からないのかもしれない。しかし、そう話す松井選手の表情は意外に晴れ晴れとしているように見えた。すでに、来季をしっかり見据えている松井選手がいた。

「ある意味なんでも出来る存在、なんでも期待されているというか、またそれにねすべていい形で応えられるような準備はいつもしてるつもりだし。」という言葉に松井選手の理想とするバッティングが表れているのではと感じた。徹底したチームバッティング。チームの勝利を最優先したバッティング。それが松井選手の魅力でもあり、ヤンキースというチームカラーにバッチリとハマッていると思う。その中でいかにホームランを表現できるか。ホームランに関しては、率直に"甘かった"と語った松井選手。来季に向け今シーズンを踏まえ、どんな飛躍を果たすのか期待。

このインタビューにも松井選手の毎年、確実に少しでも上を目指そうとする精神が溢れている気がして嬉しかった。これだけ自分のバッティングを確立した松井選手でさえ、まだまだ修正し新たな境地を見つける余地があるバッティングは奥が深くて面白い。
松井選手の野球への情熱が色あせないのと同じように、僕も松井選手への熱い思いを持ち続けていけたらいいな。

【ニューヨーク18日(日本時間19日)】ヤンキースの松井秀喜外野手(31)が今月末に帰国後も昨オフ同様、ウエートトレーニングでの肉体改造に取り組むことがわかった。来年2月の再渡米まで、都内のジムで1日2~3時間は鍛える予定。

 「筋トレは続けますよ。今年は本塁打の数が減ったけど、それは相手との兼ね合いで、トレーニングは関係ありません。打撃以外のメリットも大きいんです」。明かしたのは"メカゴジラ計画"の継続だった。03年オフからメニューを組んでもらっている専門家に協力を依頼。来年2月の再渡米までの間、1日2~3時間は都内のジムで汗を流す予定だ。

 巨人時代は消極的だったが、ヤ軍入団後の1年目オフから本格的にウエートトレーニングを導入した。昨オフは帰国して1週間もたたない12月1日からウエートトレを開始。腹筋を鍛えるウオーミングアップから始まり、あまり器具を使わずに、体重を利用する危険性の少ない練習法を採用した。そして、約7キロもの筋肉の増強に成功したのだ。

 「筋肉を鍛えることによって反応もよくなるんです」。狙いの一つだった本塁打数の増加にはつながらず8本減の23本に終わったが、守備、走塁面での効果を実感した。筋肉を刺激することにより、体の隅々の反射神経が研ぎ澄まされたという。
~(サンケイスポーツ)~

 
松井選手は、筋力トレーニングについて次のように語っている。

・「パワーで勝負しようとは思わないし、勝負したって勝てっこない。でも、打球が飛ばないという実感はありました。この世界で勝負していくには、やはり最低限のパワーは必要だと思った。」
・「日本人と欧米人は骨の太さが違う。そこにいきなり向こうの選手のような太い筋肉をつけたら、故障の原因になるだけ。そうではなく、体幹を太くしていくトレーニングを中心にやることですね」
~(参照:北陸中日新聞・フリージャーナリスト鷲田康氏の記事)~


今シーズンの開幕直後、4試合で松井選手の打った3本のホームランはあまりにも衝撃的だった。毎年、ひとまわりずつ体が大きくなっている松井選手の筋力強化における効果の大きさを確信していた。今季、本塁打は23本に終わるも、記事の中で松井選手は「今年は本塁打の数が減ったけど、それは相手との兼ね合いで、トレーニングは関係ありません。」と語った。その原因は様々あるだろうが、松井選手は次のように考えているようだ。

「正直なところ、相手への対策不足だよね。油断があったかもしれない。おととしが16本で、去年は31本。『これは、いけそうだ』って安心感が、無意識のうちに出てたんだろうなあ。」

オフに試合のビデオを見て、各球団の投手を分析したつもり。ところが、「本来はカット系のラッキー(エンゼルス)がシンカーばっかり使う。ジト(アスレチックス)がスライダーを交ぜてくる。ほかにも細かい部分で『あれっ』と首をかしげるケースが、たくさんあった。」

 他チームが、いかに背番号「55」を警戒し、綿密に研究していたか――。つまり31歳の左打者は、そこを読み誤った。
~(読売新聞・企画連載"松井が翔ぶ"より)~


本塁打数は減ったものの、少なくとも松井選手はメジャーに渡ってから続けてきた筋力トレーニングの成果を今年も感じていたのでは。松井選手は、日米通算400号を達成したときに「こっちではオレがホームランを打つことを、監督も、ファンも、誰も期待していない。ヒットで勝利に貢献しているのを、日本のファンは分かってくれていると信じてる。もう、巨人時代の影を追わないで欲しい。」と話していた。しかし、色々考えたが、松井選手の更なる筋力トレーニングは、最後は飛距離の拡大への意欲に繋がっていて、ホームランへの飽くなき追求を止めないという一つの答えのように思う。
「今年のオフも、やることがいっぱいだよ。」と話した松井選手の言葉に未来を感じた。今、はっきりとした目標のために、取り組むべき明確な課題が見えている松井選手がいる気がする。こういう状態の松井選手を見ると、自然と明るい気持ちになり、僕も前向きに頑張らなければと思いっきり感化される。(^^)
松井選手は、「打率、打点、本塁打どれもすべていい数字を狙っていく、どれかを犠牲にするつもりはない。」と語っていたように記憶している。来季も、進化した松井選手がグラウンドに戻ってきそうだ。

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