ヤンキース松井秀喜バッティングArchives!?

〜松井のワールドチャンピオンになるまでの軌跡を見つめていきます〜

Hideki Matsui is on fire right now!!
050918_ichiro
○異変 その1【3割5分6厘の呪縛】

今年、4月は.356という自己最高の成績を残す。例年4月の成績はいまひとつのイチローにとって、これはかなり突出した成績。実はこの.356という成績がすべての異変の始まりだった。

「去年あれだけの記録を作って、確かなものを掴んだと思って望んだシーズン。それが、スプリングトレーニングからシーズンに入っていって成績としては残っている。しかし、もう一つ"しっくり"きていない自分がいた。成績は出ていてもね。段々4月の成績によって間違いに気づけていない怖さがあった。4月、好成績が出ていることが僕を迷わせた。4月が終わったときに打率が高すぎると言ったんですが、それは本当の話。3割を切らないまでも3割くらいが4月に関してはちょうどいい。ブランクが半年あるわけで最初から完璧には行かない。僕の感覚では。そういう中で、今年みたいな4月を迎えてしまうと怖いなぁとおもいました。5月、6月に入ってボロが出始めたわけですから。ボロとは間違いのこと。」

その言葉通り5月は.288、6月は.243まで打率が落ち込んだ。イチローが指すマイナス要因、間違いとは何なんだろうか。

「動き出してから打つまでの動きの中にはない。ただ動き出すタイミングがおかしい。ピッチャーが投げる動作を始めて、始めの動き出しが遅い。それがなんでかというと、ボールを見ようとする僕がそこにいた。」

この異変が後に大きな副産物を生むとは誰も予想できなかった。

○異変 その2【オールスター】

イチローにとってのもう一つの異変はオールスターでのことだった。

――最後まで出れたという事では例年と違っていた?

「最後まで出たくはないですよ。それはスターターではないという証ですから。選手を紹介する時も特別なところから出ることは出来ないですから、スターターではないという事は悔しいですよ。
オールスターの選手達が僕にバッティングについて聞きに来てくれるという事は、なかなか熱いですよね。いつも必ず来るのはラミレスなんですよ。全然、選手としてのタイプは全然違うんですけど、足を使ってタイミングを取る選手。そこで僕との共通点を感じてるからだと思うんですけど。あんなバリバリのオールスター中のオールスターですよね。その選手にあれが出来る凄さはありますよね。変なプライドもなくバッティングについて聞きに来るのは驚きますね。自分に出来るかなぁと考えると、僕にはたぶん出来ないですね。」

○異変 その3【副産物】 

9月、イチローが意外な言葉を口にする。

「野球って難しいですね。」

今シーズン、イチローのホームラン数が、過去4年と比べると増えている。キーワードはホームラン。

「確かにホームランの内容を言えばこれまでと違うんですね。これまではほとんどが狙ったホームラン。逆に言えば狙わないとあそこまで飛ばなかったものが、今年は狙わなくてもホームランになることが確かに多いので、内容は違うと思います。」

このホームランこそが、シーズン前半の異変がもたらした副産物だったのだ。

動き出しが遅い。このことに気がついたイチローは早速フォームの改造に取り組んだ。改造前の4月は、ピッチャーがボールを投げるために後ろに腕を引く際、まだ手が下にある時点、つまり時計でいうと7時の位置で始動(右足をステップするために上げる)が始まっていた。改造後の7月は始動を始めるタイミングがピッチャーの腕が上にあるとき、つまり時計の10時の位置だった。

では、なぜ動き出しが遅くなるという現象が起きたのか。

「ボールを見ようとしている僕がいたんですね。そこに。」

この言葉にこそ一般の野球常識を覆すイチロー独自の世界が凝縮されている。

「もちろんボールを見ないと打てないですけど、ボールを見ようとする行為に問題があった。打撃の中でボールをよく見て打つというのが基本といわれていますけど、それは大きな間違いだと思いますね。僕は。少なくとも、その基本は僕には当てはまらない。目でボールを見ようとすることによって、本来、体が動かなきゃいけない部分を止めてしまう。目でボールを見ようとすることによって、目から入ってしまうんですね。それで体に来るんでどうしても遅くなってしまう。それが、体でボールを見られれば、体が主導ですよ。そこが今回の間違い。目でボールを見ようとしたことが、最大のミス。
結果が出ないようになってくると、いい球、甘い球というのを待って、甘い球しか打てないように感じてくる。だから、ピッチャーの投げた甘い球をどうにかして打とうとするわけですけど、そうやって思った時点で、ストライク、ボールを目で追うようになってきてしまう。全部動き出しのポイントに繋がっていく。始動を早くしたらすべてを修正できた。」

4月の異変は、始動を早くするというフォーム改造に繋がった。そして、狙わなくてもホームランになるというこれまでにない副産物を生んだ。メジャー5年目にして多くの異変が起きた今シーズン。男は何を思うのか。

「簡単にならないですね。なるかなと思ったんですけどね。なかなかなってくれない。すべて、打つこと、守ること。ゴロを取るタイミングが分からなくなったり、走塁はいつだって難しいし、野球って難しいですね。」

〜テレビ朝日「Get Sports」(9/18)より〜


バッティングについて超一流のイチローが、今シーズン不本意な成績に終わった理由について始動するタイミングの遅れというバッティングの基本を挙げたのには驚いた。それだけタイミングというのはバッティングに於いて重要で、永遠の課題なのかもしれない。
「ボールをよく見て打つのではなく、体主導で打つ」と語ったイチロー。頭で考えて打つのではなく体の反応、感覚に任せて打つという事か。ある程度、バッティングというのはバッターの本能による所が大きいんじゃないかと想像してみた。

昨シーズン、歴史を塗り替えたイチロー。そんなイチローでさえも、掴んだバッティング感覚というものは、その場に留まり続けてくれるという事は無く、常に変化して消えてしまう。だからこそ、バッティングの追及は、どんな優れたバッターでも永遠に終わることがないんだなぁと痛感させられた。

いつからワールドシリーズが始まるのかも分かっていない。松井選手が最後の打席になったあの試合から、全くメジャーリーグを見ていない。ある番組で、「この悔しさを晴らす舞台があと1年以上やってこないことを松井は知っている。」とあった。ワールドシリーズの一歩手前までいって突然幕が下りた今シーズン。ワールドシリーズに辿り着くには、これから気の遠くなる階段をまた一から一歩一歩登っていかなくてはならない。そこへの時間的、距離的近道は無いと分かっている。それでも気持ちだけは先走ってしまう。来年のポストシーズンはどうなっているのか早くも気になってしょうがない自分がいる。こんなこと書いたら鬼が笑うかもしれないけど・・・(笑)

そんな中、松井は地道に文字通り歩き始めた。

<ニュース記事>
【ニューヨーク19日(日本時間20日)】ヤンキースの松井秀喜外野手(31)が自己最速の自主トレを開始した。早朝から約1時間、散歩して10日のア・リーグ地区シリーズのエンゼルス戦に敗れてから9日ぶりに体を動かした。まずは生活リズムを朝型にして、体調や疲労の回復具合と相談しながら来季に向けて体をつくり直していく。
 高層ビルを照らす朝日がまぶしかった。早朝から多くの人でごった返していたマンハッタンの路上。通勤や通学の列に混じり、帽子をかぶって黒のトレーニングウエアを着て早足で歩く大男がいた。ヤ軍の松井秀が来季に向けて始動した。マンションに戻る途中におなかが減ったため、コーヒーショップに立ち寄ってホットコーヒーとパンを注文した。

 「きょうの朝早く目が覚めたんです。せっかくだし、散歩でもしようかなと思って。これまで早起きして散歩なんてあまりしたことがなかったのですが、晴れたマンハッタンを歩くのはとても気持ちがいいですね。まずは体のリズムをしっかりととのえることが先決です。帰国するまでニューヨークにいる間は、このように体を動かす程度の練習が中心になると思います。」

始動を機に、シーズンモードからオフモードへ生活スタイルも切り替える。ナイター中心のシーズン中からこれまでは夜型生活のため、昼ごろに起床し深夜に寝ていたが、なるべく朝早い時間に目覚め、就寝時刻も早めたい考え。キャンプ中のように規則正しい生活をしていくつもりだ。4年目に向けて、自己最速の自主トレ開始だ。

〜(サンケイスポーツ)〜

シーズン中は、試合やバッティングのことで頭はいっぱいだろうから、今松井は、ゆっくりとニューヨークライフを楽しんでいるんじゃないかなぁと想像してみた。もう冬がそこまでやってきているニューヨーク、日本ほど騒がれることのないであろう街で、自分のペースを守りつつ人知れず静かに動き出した松井秀喜。悔しさもまだ残る松井の心を趣きある秋のニューヨークの街が癒し、穏やかにしてくれている気がする。

昨シーズン終了時、松井はインタビューで「対戦回数が増えれば増えるほど対応能力が上がり成績はよくなる。去年はシーズン終了後何をすべきか明確に分かっていた。今年は去年より次の年に向けての準備は難しくなるだろう。今は来シーズンに向けて何をすべきかはっきりとは分かっていない。」と答えていた。今年は、シーズンを終えてどんな課題を見つけたのか、来季に向けてどんな準備をしていくのか早く松井の口から聞いてみたい。

松井のワールドチャンピオンへの闘いは始まった。

<ニュース記事>
今季でヤンキースとの3年契約の切れる松井秀喜外野手(31)が、来季からの契約年数として3年を理想としていることが分かった。主力選手は5年以上の長期契約が主流のメジャーだが、巨人時代に単年契約を貫き通したように、緊張感を保つには3年契約が最適とする独自の考えがあるようだ。
 地区シリーズ敗退からちょうど1週間。悔しさは消えないが、先を考える余裕も出てきた。ニューヨークのマンションでゆっくりと体を休めている松井秀が自ら理想とする契約年数について、初めて語った。

「理想の年数というのは難しいけれど短すぎても長すぎてもよくないと感じます。3年というのはある意味でちょうどいいかもしれません。」

ヤ軍で3年間プレーし緊張感を保つにはもっとも合っている年数と肌で感じた。松井秀にとっては、感覚的に巨人時代の単年契約に相当するのが3年契約なのだ。
〜(サンケイスポーツ)〜【ニューヨーク17日(日本時間18日)】

-----------------------------------------------------------------

決して安定した楽な道を選ぶのではなく、あえて自分にプレッシャーをかけて、巨人時代から松井自身が語るように「1年ごとが勝負」という考えで、毎年最高のプレーを追及する松井選手の姿勢が垣間見える。

昨年の12月、松井選手の代理人テレム氏がキャンプ中にも再契約交渉をする方針を明かすが、2月26日、松井選手はテレム氏との話し合いの結果、キャンプ中には契約交渉をしないことを決めた。その時、松井選手は「3年間トータルで見てもらいたい」と話していた。僕は、今シーズン何が起こるか分からないから、出来ればキャンプ中に契約を済ませて欲しいと願っていた。しかし、松井選手はシーズン終了後の契約を望んだ。ここにも松井選手の1年ごとが勝負で、結果を残せなくてチームが自分を必要としないのならば、いてもしょうがないという考えがあったのかもしれない。

6月には、ニュース記事に【『松井秀もトレード候補』との記事が地元紙をにぎわしたのは6月。契約にはトレード拒否権があるが、それを行使してまでチームに残留する気持ちはなかった。「トレードなら"じゃあ、いいや"と腹を据えていないと。男なら潔くなきゃ」と決意を口にしたのは遠征先のボルティモア、6月29日のことだ。】というのがあった。

変に自分の保身に走ったり、今の地位に執着したりすることなく、気持ちのいいほどの潔さと相当の"覚悟"を持って、毎年、厳しい実力世界で闘っている松井選手は、本当にプロ中のプロだと感じる。そこには、ハードな練習で裏打ちされた技術と体力の自信とプロとしての誇りがあるのだろう。毎年、勝負の年と位置づけ、逃げ道を作らず覚悟を胸に戦う姿勢が、年々成績を向上させる原動力の一部となっているのかもしれない。
いつも自分を信じて前向きにプレーし、悔いの残らないように常にその場での全力を尽くす、そんな松井選手の野球への取り組みが、契約についての考え方にも反映されている気がする。そのような考え方の出来る松井選手の人間としての大きさを感じ尊敬する。

今日、「トーリ監督が来季も留任する意向を表明」という嬉しいニュースが飛び込んできた。トーリ監督は、「これまでになくつらい1年だった。頭をはっきりさせ、妻と相談し、そこで思ったのが、まだ監督をやりたいということだった。まだ、ここで指揮を執りたい。やっぱり、わたしは野球が好きだから。(オーナーとは)いい話し合いができた。シーズン中にオーナーから受けたいくつかの批判について、はっきりさせておきたかった。オーナーと考えの相違はなかったと思う。」と話した。
また、松井選手について「チームが勝つために責任ある立場にいる選手。世界中の金を集めてでも(球団に)引き留めてもらいたい。松井がいなければ、今年、地区優勝もできなかった。彼が戻ってきてくれることを願っているよ。」と語った。それに対し松井選手は、「選手として、そう言われることは幸せ。しかも、尊敬しているトーリ監督から、そう思っていただけるのは最高に幸せなこと。僕はヤンキースでは何も成し遂げていません。もし残るのならここで成し遂げたいことがあります。(トーリ留任は)僕にとって前向きに考える大きな要素の1つです。センターをやれと言われたら喜んでやります。むしろレフトとどちらが好きか、と言われたらセンターです。」とコメント。松井ファンとしてもトーリ監督の言葉は嬉しかった。

これで、松井選手のヤンキース残留に弾みがつけばいいな。

トーリ監督は、契約をあと2年残しているものの、今季、地区シリーズで早々に敗退し5年間?世界一から遠ざかっているため進退問題が浮上している。

それに対し松井選手は、「監督の今後が気になるのは当たり前です。負け、イコール、監督の責任というのは…。ぜひ、来年からも監督にやってもらいたいです。」と話した。今季、期待された先発陣が全く機能しない想定外のシーズンだったにもかかわらず、地区シリーズ優勝へとチームを引き上げたのはトーリ監督の采配によるとことが大きいと考える。シーズン終盤では、選手の起用が見事に的中し、先発で出場した選手がヒーローになる試合が何度もあった。今年ほど監督の采配が優勝に直結したシーズンは無いのではないかと感じる。その監督に責任を問うのは、どうも間違っているとしか思えない。

更に松井選手は、「野球に対する姿勢やプレーヤーの理想像が監督のそれと似ています。監督としてだけではなく、人間としてもとても尊敬しているし野球をしていて非常に心地がいいのです。(松井秀の契約問題への影響は)それは当然、あるでしょう。(進路を)決める上での大きなポイントになるのは間違いありません。」と話す。
これまで3年間で松井選手とトーリ監督の信頼関係は非常に大きなものになっている。トーリ監督が松井選手を大切に考えてくれていて、また実力を認めてくれているというのは、試合を見ていてひしひしと伝わってくる。試合前のお互い向き合って手を合わせる儀式や、松井選手の起用方法、ケガをしたときに真っ先に松井選手のもとに飛んでいく気遣い、メジャーに渡り1年目、松井選手がどこまで出来るのか未知数の段階でなかなか結果を出せない時でもスタメンで使い続けてくれたこと、松井選手の連続試合出場記録を尊重してくれていることなどなど挙げたらキリが無い。それだけ、2人の相性は完璧に思える。

今後、もし監督が代わって、松井選手を起用する際、連続試合出場記録をどこまで考慮してくれるのかも分からない。松井選手がメジャーに渡り、一番初めの監督がトーリ監督だったというのは、松井選手にとって本当に幸運なことだったなぁと感じる。そういう運を松井秀喜は持っている選手だと思う。今後も、松井選手には、出来ることならトーリ監督の下で野球をやってもらいたいと願う。

○松井が素直な気持ちを吐露していた。

松井はメジャー3年目にして初めて、オールスター出場を逃して短い休暇を取っていた。

「なんか不思議な感じがしますよね。やっぱりシーズン中に3日間も何にもしないと。だから、そんなんでいいのかなぁと心の中で思いながら。」

オールスターが明けて、後半戦がスタートするが、松井はなかなか調子を上げられないでいた。(7/14〜8/11 打率.226、打点11、本塁打3)
8月11日の夜、好物の焼肉に箸をのばす松井だが、心なしか今までに無く食べる量が少ない。疲労が原因だった。
――体重は戻った?

「いや、まだだね。今ちょっと減ったね。2、3キロは落ちたんじゃない。夏は毎年落ちるんだよね。でも、今年はちょっと大きいね。」

体調と技術、松井が重点を置くのはこのバランス。その松井が漏らした自らの打撃を疑う言葉。

――打撃の形を手に入れた?
matsui_051012_inakunaru
「自信がないね。はっきり言って。ホントね、自分は馬鹿だなと思うんだけど、これで大丈夫かなと思うでしょ、そしたら必ずまたおかしくなってくるんだよね。だからバッティングに絶対は無いよね。はっきり言って。これは間違いない。絶対はあるんだろうけども、それを掴んだとしても、それを体感できたとしても、いなくなる。ずっとはいてくれない。」

松井の言う絶対の感覚、それはいつも前触れなくスルリと彼の手からこぼれていく。それがバッティングの極みであり、難しさであると松井自身も分かっている。

「繰り返しだよね、やっぱり。それもしょうがないよね。そういうもんだと思ってやっていかないとね。これで大丈夫だなんて思わないほうがいいよね。」

体調と技術のバランスが一致したときに訪れる絶対的な感覚。いつそれが訪れるか分からなくても松井のバッティングへの追及は決して止まらない。

〜フジテレビ「すぽると」(10/12)より〜

今シーズン、松井は全体を通しての打率は3割を越え、誰にも文句を言わせない好成績を残した。しかし今年の松井は苦悩していた。いい時と悪い時がはっきりしていて、それが交互に波のように押し寄せて来たという印象だった。これだけ苦しんだ中で掴み取った3割は驚くべき数字だと思う。松井のポテンシャルの高さを思わせる。

波がある。それがバッティングの常だと言ってしまえばそれまでかもしれない。しかし、松井選手は答えがあると信じてそれを探し求める。

好不調の切り替わりは突然訪れる。それは松井選手の無意識下で起こるため制御できないというイメージを今シーズン持った。松井選手にも予測は出来ない。松井選手に好調が訪れたときは野球の神様に出来るだけ長く続くように祈っていた。それだけバッティングは思考が介在しない無意識に近い体の反応で成り立っているのかもしれないと思った。もし、バッティングのそれぞれの箇所で完全に意識してコントロールできるなら、松井選手自身が悪い癖といっている外角のボールを強引に引っ張って、引っ掛けるといった現象はすぐになくなると考えられる。
松井の言うバッティングの絶対的な感覚とは、テイクバックしてボールを引き付ける際、一瞬止まったように見えるタメも含まれているのでは。完璧なバランスでボールを待ち、すべての球種、コースに柔軟に対応できる隙の無いボールの呼び込み。この状態の時、松井のバッティングは誰にも負けないエキサイティングなものとなる。これも、頭でいろいろ考えて出来るのではなく、半分、無の状態で生まれてくるのかもしれない。もしそうだとしたら、これ以上得がたく崇高なものはないと感じる。それを手に入れるために、バッターボックスに入るまでに準備、トレーニング、体調管理など松井選手は、想像を絶する努力をしているんだろうなぁと想像された。

海を渡り試行錯誤をしながら、軸足に重心をおいて左腕手動のスイング、体の中央でバランスを取る安定したボールの呼び込みなど、アメリカの野球に対応できるバッティングを確立した。好調時のバッティングはそれを完璧に体現しているように感じる。今は、それをいかに維持し、体で表現するかという段階なのかもしれない。今年松井は絶不調を克服し、自分のバッティングで何処をチェックすればいいのかを掴んだ。いかに不調の期間を短くし、崩れたバッティングをどう立て直すか、それも松井選手にとって大きな課題となるのでは。

バッティングは無常で儚いもの。それに対し、あらゆる努力と万全の準備でぶつかってゆく。
時には体のキレなどの体調や、頭でのイメージと体の反応のズレの影響で思うようなバッティングが出来ない時もある。弱点を徹底的に責められたり、巧みに打ち気を逸らすような投球術によってバッティングを崩されることもある。あらゆる要素が繊細なバッティングに影響を与える。
「いなくなる。ずっとはいてくれない。」と話す松井は少し寂しそうに見えた。バッターの悲哀がそこにはあったのかもしれない。絶対と思える感覚を掴みそして消えていく、その繰り返しを何度も経験し、特に今シーズンは、バッティングの無常を感じていたのではないかと思う。そして、野球の神様はポストシーズン・最後の試合でも松井選手にちょっとしたいたずらをした。

絶対の感覚、たとえそれがいつかは消えてしまうと分かっていても、松井選手のその感覚の追求は続いていく。消えていくことを悲観するのではなく、それを新たな高みを目指すキッカケとし、新たなバッティングの感覚との出会いの原動力として松井選手はこれからも、前を向いて一歩一歩ゆっくり前進する姿が思い浮かぶ。神様が松井選手に与えた今年最後の試練も、松井選手の野球人生にとって大事な意味のあるものとなるに違いない。大打者・松井秀喜だからこそ与えられた乗り越えるべき壁なのかもしれない。松井秀喜という男が、これからバッティングというものにどのように取り組んで、どのように己を高めていくのか、目が離せなくなってきた。それを考えると自然とワクワクしてくる。松井秀喜の歩む道に幸多からんことを心から願ってやまない。フレ〜フレ〜、松井!!

このブログは、当初自分の記録用として始めました。するとこんなブログでも読んでくださる方がいて、毎日温かいトラックバック、(コメント)もいただきました。本当にありがとうございました。何と感謝の気持ちを表していいのか分かりません。松井選手を大好きな方々とこうして繋がることが出来たことを嬉しく思っております。トラックバックをいただいた皆さんのブログを毎日読んで、松井選手を応援する喜びは何倍にもなりました。ブログっていいものですね。

地区シリーズ・第5戦 ☆☆
5打数・0安打・0打点  
通算
試合数 打数 安打 本塁打 打点 打率 出塁率 長打率 OPS
松井 5 20 4 1 1 .200 .273 .400 .673
松井:5番・レフト先発出場
先発:ムッシーナ【L,1勝1敗】(IP:2.2 H:6 R:5 ER:5 BB:1 HR:1 ERA:5.40)

『対戦ピッチャー』
・vs コロン(R)【Career:10-3 avg .300】:第1打席
・vs サンタナ(R):第2打席
・vs エスコバル(R):第3打席
・vs ロドリゲス(R):第4打席

第1打席2-2-2 ランナー:一塁・三塁 2球目、真ん中低めへの速球(150km/h)を打ちにいって空振り。バットが全くボールの軌道から外れていた。いつもの松井なら少なくともバットに当てるはず。感覚と実際の体の動きにズレがあったのかも。バットの振りに違和感があった。バットが遠回りしている印象。3球目、インコース低めへの速球(150km/h)を打ってファール。差し込まれていた。4球目、インコースに大きくはずれて5球目、真ん中への速球(153km/h)に空振り三振。完全に球威に押されてしまった。大島氏:「ボールが早いというのがあって、少し前にいくのが早い。軸足に重心を乗せ早く準備をすると、もう少しタメが出来るんですが。」

第2打席3-1-1 ランナー:一塁 初球、真ん中低めへの変化球(124km/h)を見送ってストライク。大島氏:「今のはタイミング的にあっていた。右足の上がっている時間が短いのかなと感じる。いい時は、早めに準備をして右足が上がっている時間、"間"を取れる。」コースは甘く、状態のいい時の松井なら打ちにいっていたはず。外角低めへの変化球中心に攻めてくるが外れてカウント3-1となる。5球目、投球と同時にランナーはスタートを切る。インコース寄り比較的甘めの速球(150km/h)だった。しかし、打ち上げてしまい浅いレフトフライ。いつもの松井の振りではなかった。上から下にバットを振り下ろすような悪い時のバットの軌道だった。頭の位置が動かずスーッとテイクバックを取ってスムーズなスイングとは違い、体の動きにブレがあったように感じた。重心が前にいき後ろに残すことが出来なかったのでは。大島氏:「3-1から走ると、空振りをしてはいけないというバッター心理がまず働く。それと当てなければとボールに合わせにいく傾向が強くなる。ヒットエンドランだともう少し違った内容になっていたかもしれない。甘かったので、もったいなかった。速球に差し込まれ気味になっている。もう少し始動を早くすれば、今のポイントでぴったり合うのでは。」

第3打席0-2-1 ランナー:一塁・二塁 2球、インコースの球をファールした後の3球目、インコース高めへの速球(151km/h)を打ち上げてしまいファーストゴロ。ボール球だった。選球眼の良い松井があのコースに手を出してしまうなんて。最終戦の特別な雰囲気がそうさせたのか。それとも昨日から松井の状態が悪いのか。

第4打席1-0-2 ランナー:二塁 初球、外角低めへの変化球(138km/h)を見送ってボール。2球目、真ん中低めへの変化球(129km/h)を打ち上げてキャッチャーフライ。体が前に流れ、ボールを追いかけていったという印象を受けた。また、軸がブレてバットが遠回りしているようだった。

第5打席0-2-2 ランナー:一塁・二塁 初球、真ん中へ甘く変化球(129km/h)を見送ってボール。甘かったーーー!!打ちにいって欲しかった。残念。2球目、インコース寄りへの変化球(129km/h)を打ってファール。変化球に対し引き付け切れなかった。1球のファールの後の4球目、真ん中低めへの変化球(129km/h)を打ってファーストの横へ。ファーストがダイビングキャッチで捕球し、最後の打席ファーストゴロに倒れる。ボールを呼び込むというよりは、変化球に合わせたといった印象を受けた。もう最後、技術云々ではなく無我夢中でボールにバットを当てにいっていた。何とかヒットにしたいという松井の願いみたいなものを感じた。

<試合内容>
1回表、ジーターがヒットで出塁。シェフィールドがヒットで2死一塁・三塁。ここで松井の打席。緊張した。ここで得点できれば、この試合ヤンキース有利に運べる場面だったが、松井は空振り三振。松井ならやってくれるというのと、コロンの球威ある球と昨日の松井の状態を考えるとはそう簡単に打てないなぁという思いの葛藤があった。

2回表、先頭バッター・カノーのときコロンが腰の辺りを痛め降板。試合前から腰に違和感があったようだ。サンタナが登板して、これがどのように影響してくるか。カノーは、カウント3-2からファールで粘って結局、四球を選ぶ。ウィリアムズが打席のときカノーが盗塁失敗。その後ウィリアムズ、ポサダが連続四球で出塁。ラストバッター・クロスビーが一・二塁間を抜けるタイムリーヒットでウィリアムズがホームイン。なおも1死一塁・三塁。ここでジーターが犠牲フライを放ち2点目。

2回裏、4番・アンダーソンにソロ本塁打を打たれる。これで1-2。2死一塁から四球を与え2死一塁・二塁。続くケネディーの当たりは右中間へ。クロスビーとシェフィールドが追いつくも交錯し捕球できず。2人が倒れている間に2人ランナーが生還。記録は3ベースヒット。大歓声により声の連携が出来なかったという事だった。クロスビーが深追いした感じだった。ウィリアムズではなく守備のいいクロスビーを先発させたことが裏目に出たか。3-2とヤンキース1点リードを許す。

3回表、シェフィールドがヒットで出塁。松井のところでカウント3-1からランナーを走らせてきた。松井は、フライを打ち上げてしまいランナーは進塁できず。ベンチの要求には的確に応え、バットコントロールのいい松井にしては、らしくない打席だった。

3回裏、ヒットでランナーを一塁に置いて、ゲレーロが右中間にポトリと落ちるヒット。これで無死一塁・二塁。ジョンソンが投球練習を始める。犠牲フライを打たれ4-2。続く打者がライト前へヒットを打って1死一塁・三塁。ファーストゴロでジアンビはホームへ返球。しかし、完全に間に合わず1失点。次の打者の打球はレフトファールゾーンのスタンドへ。松井が追っていきスタンドに手を伸ばしてジャンピングキャッチ。ナイスプレー!!ここでムッシーナに代わりジョンソンが登板。セカンドゴロでチェンジ。結局、この回2失点。

5回表、ロドリゲスが四球で出塁。ジアンビが一・二塁間を破り無死一塁・二塁。シェフィールドは打ち上げて1死一塁・二塁。ここで松井秀喜。松井がゲームの流れを変える鍵を握っていた。しかし、内野フライに倒れる。がっくり肩を落とす。カノーは振り逃げで一塁へ走るが、守備妨害の判定をされてアウト。この回無死一塁・二塁のチャンスを活かせず。

6回裏、2ベースヒット、内野安打で無死一塁・二塁。送りバントで1死二塁・三塁。2アウトから四球を与え満塁。ここは何とかジョンソンが踏ん張り、無失点。得点差は3点のまま。

7回表、ジョンソンが粘った後の攻撃、すぐさまそれにジーターが応えソロホームラン。2点差。ジアンビは打った瞬間ホームランかと思ったが、フェンスにダイレクトに当たり2ベースヒット。シェフィールド倒れて、松井の打席。ここでどうしても1点欲しい。しかし、松井は簡単に打ち上げてしまいチェンジ。松井選手、一体どうしてしまったんだ。

matsui_051010_saisyudaseki 9回表、先頭・ジーターがヒットで出塁。ロドリゲスは併殺打。↓↓ジアンビが執念のヒットで出塁。ホームランで同点になる可能性が出てきた。何が起こるか分からない。シェフィールドが内野安打で出塁。さあ、松井の打席。ホームランを期待ーーーーーー!!!!

2005年の松井のチャンピオンリングをかけた闘いは、松井が最後のバッターとなって幕を閉じた。

matsui_051010_siaigo 最後の打席まで4打席ノーヒットで来ていて、松井が打てなくて負けたら諦めがつくと思っていた。しかし、第5打席、松井がファーストゴロで最後のバッターとなった瞬間、急に悔しさが込み上げてきた。最後の打席、打てそうな雰囲気はあった。諦めようと思っても諦めきれない何かが残った。ワールドシリーズで大暴れする松井のイメージが鮮明にあっただけに不完全燃焼だった。
2003年リーグ優勝決定戦・第7戦、2-5とレッドソックスにリードを許し劣勢のまま8回の裏の攻撃を迎えた。松井がペドロ・マルティネスから2ベースヒットでチャンスを広げる。そして、ポサダのセンター前へのポテンヒットで一気に松井がホームに生還。そして歓喜のジャンプ。あの奇跡的な同点劇の感動と興奮は今でも忘れることが出来ない。もしかしたらそれ以上の心震えるような感動を探し求めていたのかもしれない。
5打席ノーヒットという結果が画面に出る。松井が実力を全く出し切れなかった現実を見て息が詰まりそうになった。松井の悔しさは想像を絶するものがあるだろう。大島氏は、「これが一生懸命やった結果ですからね。」と言われていた。本当にその通りだ。松井の全力のプレーでの結果だから仕方ない。松井選手は、この悔しさを原動力に再び立ち上がり、野球を続けていくのだろうなぁとふと考えた。これで、松井選手の野球への情熱は更に高まると想像された。

4月の開幕から今日まで、あまりにも松井選手の存在が大きすぎて、今は心にぽっかり穴が開いてしまったよう。今年はワールドチャンピオンになると信じて疑わず応援してきた。しかし現実はそうは甘くなかった。胸をかきむしられるような思いで、今日の結果を受け入れるには年内いっぱいかかるかもしれない。(^^;)「命をかけて頑張る」と海を渡り、脇目も降らず一途にワールドチャンピオンを目指してきた松井選手。そのためならなんだってするという覚悟があったように感じていた。バッティングスタイルを変えることもいとわず、チームの勝利を第一に考え自己犠牲も受け入れる。そして、シーズン通してただ一つの目標に向かって常に全力でプレーしてきた1人の選手の生き様を追ってきた。松井の見せる不器用なまでのひたむきな頑張りとそれが報われなかった今日の敗戦を考えると目頭が熱くなる。今日、負けたことで今年は、松井選手の夢への道は閉ざされた。しかし、松井選手の歩んできた道が消えることは無い。これまでの松井選手の1打席1打席に一喜一憂し毎日の生きる活力とし、松井選手がバッティングに苦しんでいる時は、現実に真正面から対峙する姿に勇気を貰った。ワールドチャンピオンという夢を見続けた日々は幸せだった。松井選手と共に戦ったこの半年は僕にとって貴重な時間となりました。

松井選手、今年も夢をありがとう。そして、お疲れ様でした。これから先、松井選手の野球人生が更に実り多きものになりますように。松井秀喜は必ず夢を叶えてくれる選手だ。松井選手の夢はまだまだ終わらない。

<松井のコメント>
◇「不完全燃焼です」…
 メジャー3年目のヤンキース・松井秀が試合後、今季を振り返った。一問一答は次の通り。
 ――今の気持ちは。
 残念というしかないですね。
 ――5打席とも走者を置いて回ってきたが。
 両サイドを攻められた。インコースの速いボールと、外の緩いボール。一本出ていれば、多少は展開が変わったかもしれない。ちょっと悔しいですね。最後は何とかつなごうと思っていた。
 ――第4、5戦で9打数無安打に抑えられたが。
 しっかり研究されていた。思うようなバッティングができなかった。シーズン中もそうだが、アナハイム(エンゼルス)は本当に細かい攻めをしてくる。コントロールに気をつけていた。分かっていたし、準備もしていたつもりだったけど…。もちろん僕も慣れていくけど、その分相手も研究してくる。その中で成績を上げていくのは難しいこと。調子自体は今もいい。なかなか思い通りの打撃をさせてもらえなかった。<
 ――ワールドチャンピオンへの道は遠いという感じか。
 毎年、チャンピオンを目指しているんですけど、なかなか力になりきれなくて、残念です。
 ――早く終わってしまった分、喪失感は大きいか。
 最後(ワールドシリーズ)までプレーするつもりだったので、多少、不完全燃焼です。
 ――チームには何が足りなかったのか。
 野球の細かいところが、ちゃんとできていなかったんでしょうね。そのへんが差として出た。毎年感じていることなんですが、それが目につくようになってきた。僕も含めてちゃんとできていれば全部勝てた。
 ――(ヤンキースとの契約期間である)3年間を振り返ってどうだったか。
 慣れてはきたが、その分、相手も自分のことが分かってくる。その中で成績を上げるということは難しい。でも、3年間やってきたことについては悔いはない。負けたことは悔しいですけど。
 ――来年に向けて何か考えはあるか。
 契約のことに関しては、まだ何も考えていない。まだ時間もあるし、ゆっくり考えたい。明日から何もやることがないんで、ひとまず休んで、来年に向けて準備をしていきたい。
 ――今後も同じチームで戦いたいというよりは、まずはまっさらな気持ちで、ということか。
 もちろん、そうです。ここで、ぼく個人としては一区切りつくわけですから。
 ――夢である世界一を目指すにあたって、ヤンキースが一番近いチームだと今思うか。
 それはわからないですね。何とも言えないです。
〜(毎日新聞)〜

松井選手は1人で敗戦の責任を負うようなコメント。最後まで責任感の強い松井選手らしい言葉だった。その人間性が更に僕を松井ファンにさせる。しかし、責任を感じすぎないで欲しいです。懸命にプレーした松井選手を誰も責めたりはしない。

トーリ監督のコメント:「去年よりがっかりだ。この4週間いろいろなことをやり遂げてきた。今回も何とか道を見つけ出すと思っていた。」

<追記・ニュース記事>
今シーズン、一番震え上がる見せ場でベースボールの神様は、松井を打席に立たせた。2点リードされた九回二死一、二塁、マウンド上は守護神KロッドことFロドリゲス。ここまで4打席、走者のいる場面で凡退した。その無念をひとまず胸にしまい込み、エンゼルスファンが大歓声でスタンドを揺らす中、静かに打席に立つと、一つ深呼吸した。
 1球見逃し、2球続けてファウル。そして4球目。松井のバットから放たれたゴロを一塁手がつかみ、ベースカバーのKロッドにトスされ、万事休した。スタンドの観衆とエンゼルスナインは一斉に声を張り上げ、狂気ともいえる喜びを爆発させた。
 そんな中…。一塁ベースを駆け抜けた松井はしばらく天を仰いだ後、がっくりとうなだれながら身体を反転させ、ベンチへとゆっくり歩き始めた。トボトボ歩く間、一瞬だけ一塁ベース付近にできたエンゼルスの歓喜の渦に目をやった。しかし落胆の気持ちは大きく、すぐさま視線を断ち切ると再びうなだれたままベンチへ戻った。長かったのか、短かったのか−。ヘルメットを脱いだ瞬間、苦しんだ1年が幕を閉じた。
〜(夕刊フジ)〜

地区シリーズ・第4戦 ☆☆
4打数・0安打・0打点  
通算
試合数 打数 安打 本塁打 打点 打率 出塁率 長打率 OPS
松井 4 15 4 1 1 .267 .353 .533 .886
松井:5番・レフト先発出場
先発:チャコーン(IP:6.1 H:4 R:2 ER:2 BB:1 SO:5 ERA:2.84)

『対戦ピッチャー』
・vs ラッキー(R)【Career:20-7 avg .350】:第1・2打席
・vs シールズ(R):第3打席
・vs エスコバル(R):第4打席

第1打席1-2-0 ランナー:なし 初球、外角低めへ速球(148km/h)を見送ってストライク。2球目、インコース高めへの速球(150km/h)を見てボール。3球目、真ん中低めへ縦に割れるカーブ?(129km/h)にかろうじてバットを当てファール。4球目、インコースやや高めへの変化球(140km/h)を見送るもストライクと判定されて見逃し三振。松井の考えていた球種とは違い、高めから変化してストライクゾーンに入ってきたために、対応できなかったのかなぁと思った。右足をステップして腰が早く割れていた。松井の中でかなり迷いのあった打席だったのかなと感じた。

第2打席1-0-1 ランナー:一塁 初球、高さは真ん中、外角への変化球(127km/h)を見送ってボール。2球目、高さは真ん中、1球目よりやや内側、外角への変化球(127km/h)を打ってファースト正面へのゴロ。最悪でもランナーを進めるためにライト方向を狙ったのか、やや強引さが出たバッティングだったのでは。バットが遠回りするために軸が振られて、キレのないスイングに感じられた。また、変化球を引き付け切れなくやや体の開きが早い気がした。中立でボールを見る間合いが、状態がいい時と比べると少ないのかなと考えたりした。

第3打席2-2-2 ランナー:一塁 2球、キレのある変化球を見せられた後の真ん中低めへの速球(150km/h)に振り遅れて空振り。ややスイングにブレがあるように感じた。4球目、外角低めへ速球が大きく外れてボール。5球目、外角寄り低めに沈む変化球(134km/h)を引っ掛けてファースト正面へのゴロ。見逃せばボールかと思われるような厳しい球だった。松井のバットコントロールで何とか捉えたという感じだった。今日は前に押し出す力より、引っ張る力のほうが大きくなっているのかなぁと思った。

第4打席1-2-0 ランナー:なし 初球、インコース低めへの速球?を見送ってストライク。2球目、低めに速球(150 km/h)が外れてボール。3球目、インコース低めへ沈むチェンジアップ(137km/h)を空振り。1球、外角低めへの変化球(142km/h)をカットしたあとの5球目、インコース高めへの見逃せばボール球と思われる速球(150km/h)を強引に打ってファーストフライ

松井のコメント:「緩い球を打たされた。気をつけて投げていた。ボール球を振らせようという感じ。」

今日の松井は、見逃せばボールと思われる球に思わず手が出ていた。また、強引さがあったように感じた。3戦目までの精度の高い落ち着いたバッティングとは違っていたのでは。体を開かずに柔軟性を持った状態でボールを呼び込めていなかったのかぁと感じた。
明日は総力戦となる。特別な雰囲気の中で試合は進んでいくのでは。こんな時こそ、松井の勝負強さは発揮される。松井選手自ら次への扉を開く一打を期待!!

<試合内容>
死球を受けていたモリーナ(打率.455、3試合連続本塁打)が復活していた。そして、相手先発・ウォッシュバーンはのどの痛みと発熱を訴えて、急遽ラッキーが先発。松井とは相性がいいのでいけると思った。

1回表、チャコーンは気合がみなぎっていた。プレッシャーを闘志に変えているようだった。球威、キレ十分で3者凡退に抑える。かなり状態がよさそうな投球だった。

1回裏、ジアンビが四球で出塁。シェフィールドが力ないピッチャーゴロでこの回チェンジ。またも松井の前で打線が切れた。是非、松井までまわして欲しかった。

3回を終わってチャコーンは9人のバッターを完璧に抑えた。

3回裏、ポサダが四球で出塁。クロスビーが送りバントで1死二塁。ジーターが三振で倒れてロドリゲスが打席のとき、ワイルドピッチでポサダは三塁へ。しかし、ロドリゲスは見逃し三振。

4回表、1番・フィギンズの当たりは松井のところへ。しかし、照明が目に入り打球の正面に入るも捕球できず。無死一塁。ここでフィギンズは盗塁を試みるも、ポサダの好送球によりかな差でタッチアウト。ゲレーロは内野安打で出塁。次の打者の時、ポサダがワンバウンドのボールを捕球できなかった瞬間ゲレーロは二塁を狙うが、ポサダの素早い送球でタッチアウト。エンジェルスのちぐはぐな攻撃に助けられる。そろそろヤンキースに流れを持って来たいところ。

4回裏、ジアンビが四球で出塁するも、松井が併殺打。

5回を終わってチャコーンはエンジェルス打線を内野安打1本に抑える。

5回裏、ヤンキースの初安打はポサダの2ベースヒットだった。2死二塁。しかし、クロスビーがピッチャーゴロでチェンジ。

6回表、四球、送りバントで1死二塁。内野ゴロで2死三塁。ここで第3戦2安打を打っていたフィギンズ。ライト線への2ベースヒット。これで1失点。さらにカブレラに2ベースヒットを打たれフィギンズがホームに還ってくる。ゲレーロを三振にとってチェンジ。2死からの2失点だった。これでヤンキースの劇的な逆転勝利の舞台は整った。

6回裏、ロドリゲスが四球で出塁。ジアンビの内野ゴロの間にロドリゲスは二塁へ。ここで当たりの止まっていたシェフィールドにレフトへタイムリーヒットが飛び出す。2死一塁。松井の打球はファースト正面へ。一気に流れがヤンキースに傾きかけていた場面だった。スタジアムもレッツゴーヤンキースの掛け声と共に盛り上がる。松井の手の中にゲームの勝敗があったような気がした。残念。

7回表、ヒットを打たれ1死一塁としたところでチャコーンからライターに交代。ライターがダブルプレーに切って取りチェンジ。

051009_posada_homein 7回裏、先頭・カノーがショートへの内野安打。バーニーはセンターフライ。ポサダが四球で出塁し、1死一塁・二塁。ここでシエラが一・二塁間を抜ける同点タイムリーヒット!!カノーが二塁からホームを狙ったのだけれど、余裕で間に合うと判断したのか、なんと滑り込まず、ホームを駆け抜けた。ジーターも松井も必死で滑るようにジェスチャーをしていたのだが、カノーにはどこ吹く風だった。カノーだけ違う世界で野球をやっているようで少し笑ってしまった。(^^)なおも1死一塁・三塁。続くジーターの打球は高いバウンドでサードのもとへ。サードは本塁に送球するもボールが逸れてタッチが遅れ、ポサダがホームイン!!サード・フィギンズが送球の際、力んだように見えた。3-2と逆転に成功。1死一塁・二塁。ロドリゲスが四球で満塁。しかし、ジアンビ、シェフィールドと凡退して追加点ならず。

8回表、リベラが登板。3者凡退で抑える。

8回裏、カノーが四球で出塁。ワイルドピッチの間に二塁へ。ポサダが四球で歩いて更にワイルドピッチで2死二塁・三塁。マルティネスがショートフライでこの回無得点。

9回表、リベラが1人もランナーを出さずこのゲームを締めた。


序盤、先発のチャコーン、ラッキー両投手の調子が良く投手戦の様相を呈していた。ヤンキースには、いい意味での緊張感と、引き締まった空気が漂っていた。第2戦、第3戦とは明らかに違い、勝てる雰囲気があった。そのため6回にエンジェルスに2点先制されるも全く慌てることなく、必ずチャンスはめぐってくるという予感がした。もうこの試合を落としたら次が無いという試合だというのに、どっしりと構えた落ち着きを選手達に感じた。逆に追い詰められたことで、ある種の覚悟が生まれ、余計なことを考えずに目の前のゲームに勝つことだけに集中できていたのかもしれない。ヤンキースナインには次へのステージに進むと信じて疑わない静かな闘志みたいなものがあった。
そんな中、今日の勝敗の鍵となったのは、四球だった。両チームのヒットは僅か4本とピッチャーの好投が光った一方、ヤンキースの与四球は1に対し、エンジェルスがヤンキースに与えた四球は8。ヤンキースの得点した6回、7回はいずれも四球が絡んでいた。ヤンキースの残塁数は9とチャンスで中々1本を打たせてもらえない中で、四球によってもらったチャンスをチーム全員で得点に繋げたといった印象を受けた。
また守りでは、4回表、ポサダの2度にわたる二塁でランナーを刺すプレー、7回表、ワンポイントで登板したライターの取ったダブルプレーが大きかった。これで、完全にエンジェルスにリズムのよい攻撃をさせなかった。8回からリベラを投入してきたのには驚いた。明日の登板に影響は無いのか少し心配だったが、やはりリベラの信頼性は抜群だった。確実に勝利をものにしてくれた。リベラは「すごい歓声だった。今日は大事な試合で、こうなると思っていた。あの歓声が好きだ。いつも後押ししてくれるから。必要なら、もちろん2イニング投げる。投げたい。(プレッシャーのかかる場面での登板について)簡単なことではないが、この役目と、それをこなす力を与えてくれた神に感謝している。私は自分のピッチングとバックで守ってくれているチームメートを信頼している。」と話した。明日も頼みます!!

輝きを失いかけていたヤンキースが光を取り戻すような戦いを見せてくれた気がした。まだまだこれから、ヤンキースは大舞台で旋風を巻き起こしてくれるに違いない。戦いは始まったばかり。明日は、絶対に勝つ。そして、松井選手と一緒にまだ夢を見ていたい。頑張れ、松井&ヤンキース!!

ロドリゲスのコメント:(長距離移動について)「今ならハワイにだって飛んでいける。(アナハイムへの遠征など)全く気にならない。おれたちは第5戦を戦えること、次のレベル(リーグ優勝決定シリーズ)に進むチャンスを得られたことに興奮しているんだ。今となってはプレッシャーなど完全に消え去った。(第5戦で先発するエンゼルスの)バートロ(・コローン投手)も準備万端だろうが、おれたちだって万全だ。」

ジーターのコメント:「プレーオフの間は誰だってあまり寝ていないもの。それに(長距離移動の)条件はエンゼルスも一緒。彼らが(超音速旅客機の)コンコルドを使うわけじゃないんだから。おれたちはここ数カ月いいプレーをしてきた。できれば明日の夜(の試合)もそうありたい。」

第2戦、第3戦は、両チームの守備力、リリーフ陣の差がはっきりと出た試合となった。まさかここまでヤンキースが隙を見せる野球をしてしまうなんて。ショックだった。負けてしかるべき試合内容だったのかもしれない。それで昨日は一日気分が落ち込んでいた。しかし、ここで下を向いていても仕方ない。どうしても、このままで終わるとは思えない。ヤンキースナインを信じ、もう一度気合を入れなおして試合に臨む。

準備万端で5時5分を迎えたらなんとテレビ画面に、雨のため中止の文字が出る。ガーーーーーーーン!!シーズン中、1回しか雨で順延というのがなかったというのに、なぜこの時期に・・・。この雨はヤンキースにとって吉と出るか凶と出るか。

地区シリーズ・第3戦 ☆
3打数・2安打・1打点・2四球・1本塁打  
通算
試合数 打数 安打 本塁打 打点 打率 出塁率 長打率 OPS
松井 3 11 4 1 1 .364 .462 .727 1.189
松井:5番・レフト先発出場
先発:R.ジョンソン(IP:3.0 H:9 R:5 ER:5 BB:0 HR:2 ERA:15.00)

『対戦ピッチャー』
・vs バード(R)【Career:3-0 avg .000】:第1・2打席
・vs ドネリー(R):第3打席
・vs シールズ(R):第4打席
・vs ロドリゲス(R):第5打席

第1打席2-1-0 ランナー:なし 1球インコースの速球を見せられた後の2球目、外角への速球?(135km/h)をファール。落ち着いて外角の球をさばいていた。ボールが良く見えている印象。3球目、外角への変化球(129km/h)を見送ってカウント2-1。4球目、高さは真ん中、インコースへのカットボール(142km/h)を打つも、完全に詰まらされセカンドへのゴロ。バットが折れた鈍い音がした。差し込まれていたが、ゆったりとテイクバックを取り、安定したスイングがあったように感じた。松井の予想したコースより内へ入ってきたと思われる。

matsui_051007_homerun 第2打席2-1-0 ランナー:なし 初球、外角やや低めへの速球(140km/h)を見送ってボール。2球目、外角高めへの速球(135km/h)を見送ってボール。3球目、外角寄りやや高めへの速球(142km/h)を見送ってストライク。安定したバランスで見逃しているようだった。4球目、外角やや低めへの速球(137km/)を捉える。狙った球は逃さない安定したスイング軌道と力強い振りがあった。いつもよりタメの時間は短かったように感じたが、軸がブレることなくその場でのコンパクトなスイングだった。ボールを十分引き付け、外角の球を打つには最高のポイントで捉えたのでは。打球はぐんぐん伸びていきヤンキースファン一色に染まったレフトスタンドに突き刺さる。反撃ののろしを上げるソロホームラン!!最短距離でバットを出し、左手主導で強い押し込みがあったように見えた。レフトへのホームランは7月21日以来!!この大舞台で外角のボールを完璧なスイングでレフトへのホームラン。凄すぎる。やっぱり松井は松井だった。頂点を目指す松井の強い気持ちが運んだ打球だったように感じた。ゆっくりと塁上を回る松井の背番号55が、いつもより大きく見えた。

第3打席3-2-0 ランナー:なし フルカウントから一旦、間を取った後の6球目、外角やや高めへの際どいコースを見極めて四球。打ちにいきたい場面だったと思われるが、どうにかして出塁したいという気持ちが伝わってきた。

第4打席3-2-2 ランナー:一塁・二塁 フルカウントから四球を選ぶ。

第5打席0-1-0 ランナー:なし 2球目、高さは真ん中、外角寄りへの速球(151km/h)をコンパクトにセンター方向へ弾き返す。セカンドが何とか追いつくも、送球が逸れてセカンド内野安打。今の松井には強引に引っ張る癖は消えていた。

<試合内容>
過去2年、ツインズとの地区シリーズは、いずれも敵地での突破となった。今年こそ「日本の開幕戦や日本シリーズとは比べ物にならないくらい最高の雰囲気」と武者震いするプレーオフのヤンキースタジアムで決めたいと強く思った。しかも地元では地下鉄の爆弾テロが予告され厳戒体制。勝利が不安を募らせるニューヨーカーの光明になることは、松井をはじめヤ軍全員が知っている。〜(サンケイスポーツ)〜

小雨の中、試合が始まった。先発のジョンソンは、地区シリーズ2勝7敗で、現在7連敗中という悪い情報は入ってきていた。しかし、それは単なる過去の記録としか考えていなかった。

1回表、2死からヒット2本で一塁・三塁としてアンダーソンに3ランが飛び出す。先発・ジョンソンはいつもの球威がないような気がした。まだ初回、これから必ず逆転できる。

1回裏、1死からロドリゲスが2ベースヒット。その後ジアンビ、シェフィールドが凡退。シェフィールドの当たりはピッチャーの足元を通り、完全にセンターへ抜けると思われた。しかし、そこに野手がいた。エンジェルスの守備は堅い。中々外野へボールが抜けてくれない。攻撃へのリズムを作らせてもらえない。

2回表、フラハティが盗塁を刺してチェンジ。

3回表、2死二塁からモリーナに2ランホームラン。松井がボールをずっと追っていき、取れるか取れないか微妙な打球だった。最後フェンス際、必死にジャンプするも僅かに届かず。かなりドキドキした。捕ってくれーーーーーー!!と願ったが思いは届かず。しかし、松井の絶対にこの試合落とせないという気持ちがそのジャンプに表れているようだった。この後、何かやってくれる予感。その後、ライト線へヒットを打たれ、雨でぬかるんだグラウンドのためシェフィールドが足を滑らせ、3ベースヒットにしてしまう。その後はジョンソンが抑えてチェンジ。
ここまでヒット7本のうち、6本が2アウトから。ジョンソンがマウンドを降りるときブーイングが起きる。

3回裏、フラハティが四球で出塁。場内大歓声が沸き起こる。まだまだこれから。必ず山場は来る。続くジーターの痛烈な打球をサードが好守備を見せ、セカンドでアウトを一つ取る。ゴロが外野に抜けない。ロドリゲス見逃しの三振のあと、ジアンビが、ジアンビシフトを破るライト前へのヒット。2死一塁・三塁。続くシェフィールドの打球はセンターへ。一瞬ホームランかと思われたが、伸びがなくセンターフライに倒れる。ヤンキースは大きな流れを逸した。ここまでチャンスでシェフィールドが2度凡退。松井の前で打線が切れてしまっている。松井まで回せば、展開は違っていたはず。

4回表、先頭バッターに2ベースヒットを打たれる。続く打者にもヒットを打たれジョンソンはマウンドをブーイングを浴びながら降りる。投手交代が少し遅れたように感じた。スモールが準備していただけにもっと早く出して欲しかった。無死一塁・三塁でスモールが登板。なんと三振のあとダブルプレーでこの回無失点にしのぐ!!ダブルプレーにはカノーの好守が光っていた。一気にスタジアムのボルテージは最高潮に。これで流れがヤンキースへくることを願う。

4回裏は、松井から。スタンドからは「レッツゴー、ヤンキースの掛け声」。そして、松井の捉えた打球は、なんとレフトへのホームラン。イエス!!松井が流れを変える。続くカノーの打球はセカンドの横へ。またも好守に阻まれるかと思いきや、セカンドがファーストへ悪送球。無死一塁からウィリアムズがライト前へヒットを放ち繋ぐ。無死一塁・二塁。マルティネスが内野ゴロで1死一塁・三塁。ここで代打・ポサダ!!いけーーーーーー!!追い込まれてから外角への際どいコースはボール。そして、内野ゴロの間に1得点。更に、ジーターが外角への変化球を技ありのタイムリーヒット。これで3点目。続く打者は、ロドリゲス。祈りながら打席を見守る。スタンドからはMVPコール。スタンドは総立ち。ロドリゲスは四球で2死一塁・二塁。続くジアンビの打球は、なんとレフト方向へ。ジアンビシフトで誰もそこにはいなく、1点追加。シェフィールドの打球は浅いセンターへのライナー。それをフィギンズがダイビングキャッチ。これは大きなプレーだった。またもシェフィールドで流れは切れた。松井までまわして欲しかった。結局この回、4得点。4-5とヤンキースが1点差に迫る。

松井の内に秘めた闘志は伝わってきていた。4回表の守備でのいい流れをそのまま攻撃に活かしていきたい場面で松井のホームランがあった。松井が凡退していたら、一気に盛り上がりかけたヤンキースへの流れは消えてしまっていただろう。その僅かなチャンスを松井がその手に掴んだ。

5回表、足場の悪い中、松井のスライディングキャッチもあり三者凡退。

matsui_051007_home_in matsui_051007_sourui 5回裏、松井が四球で出塁。ヨッシャーーーーーー!!カノーは初球、送りバントを失敗。その後、ヒッティングに切り替えセンター横へのヒット。フィギンズは滑りながら打球を止めるが、松井は一気にホームを狙う激走を見せる。そしてホームイン!!凄い、凄すぎる。松井の同点へのホームインは、2003年のボストンとのリーグ優勝決定戦・第7戦を思い起こさせた。バックホームの送球は、大きく逸れカノーは3塁へ。ウィリアムズの犠牲フライで逆転に成功!!

この回もヤンキースの流れは続いているという事を相手に示す上でも、松井の四球は大きかった。シェフィールドで打線が切れてチャンスで回ってこないなら、自分で流れを作ろうと奮闘する松井の姿があった。

6回表、スモールが球を甘くなったところを打たれ、2ベースヒット、ヒットで1失点。6-6の同点に。更に内野と外野の間に落ちる不運なヒットの後、このシリーズノーヒットだったフィギンズにヒットを打たれ1失点。これで逆転を許し6-7。これでスモールからスターツに継投。ライトフライでこの回を締める。

6回裏、2死一塁・二塁から松井が四球を選んで満塁とするが、カノーがレフトフライに倒れ、この回無得点。

その後、7回にはゴードンを投入するも打ち込まれ2失点。この2失点には2失策が絡んでいた。8回にもリリーフ陣が踏ん張りきれず2失点とし、6-11とヤンキースは5点のビハインド。8回裏、ジーターにソロホームランが飛び出すも反撃及ばずヤンキース敗退。

5回裏まで完全にヤンキースの勝ちパターンにハマッていると思っていた。4回の怒涛の攻撃は、ヤンキースの勝利への執念が全面に出ていた。こんなに熱くなったのは久しぶりだった。勝ち運を持っているスモールが登板し、いつものように打線の援護もあった。これは絶対いけると思っていたのに・・・。ロングリリーフを期待されたスモールが2失点。1点ビハインドでも絶対今日落とせないということで、ゴードンを攻めの気持ちで投入するも2失点。ライターも2失点。今日は、先発のジョンソンから始まり、スモール、ゴードンと投手陣が大誤算だった。シーズン中、いい成績を残してきた頼りになるはずのピッチャーがことごとく打たれてしまった。このダメージはヤンキースにとって非常に大きい。

松井のコメント:「もう何もない。とりあえず明日勝たなければ、次はない。とにかく、明日。」

matsui_03_jump ヤンキースは王手をかけられた。しかし、松井の夢がこんなところで途切れるはずがない。このままで終わるはずがない。いや、終わるわけにはいかない。大方の予想がエンジェルス有利とあるように、チーム力はエンジェルスのほうが上かもしれない。しかし、ヤンキースはこれまでチームの団結力で修羅場を乗り越えてきた。このチームには何かがあると信じている。今日、松井選手の夢へと突き進む熱いプレーを見た気がした。細かい戦力とかは関係なく、最後まで諦めない"気持ち"がエンジェルスに傾きかけている流れをヤンキースへ引き戻し、次の最終戦へと繋がることを願う。奇跡よ起これ!!そして、そこには松井選手がいる。頑張れ〜、松井&ヤンキース!!

<ニュース記事>
打球方向にはこだわらずに3年目の今季に臨んだが、左への打撃を「再認識させられた。来年へのテーマにする」と話す。「どうしても外に逃げていく球で打ち取りに来る。左に強い打球を打つ意識は必要。」
〜(共同通信社)〜

地区シリーズ・第2戦 ☆
4打数・1安打・0打点・1二塁打  
通算
試合数 打数 安打 本塁打 打点 打率 出塁率 長打率 OPS
松井 2 8 2 0 0 .250 .250 .375 .625
松井:5番・レフト先発出場
先発:王建民【L,0勝1敗】(IP:6.2 H:6 R:4 ER:1 BB:0 HR:1 ERA:1.35)

『対戦ピッチャー』
・vs ラッキー(R)【Career:17-6 avg .353】:第1・2・3打席
・vs エスコバル(R):第4打席

第1打席1-1-1 ランナー:なし 初球、外角への変化球を見送ってボール。2球目、インコース低めへの速球(145km/h)を見送ってボール。3球目、真ん中高めへの変化球(134km/h)を打って、打球は右中間へ。松井は迷わず二塁を狙い、センターがもたつく間に悠々二塁へ。2ベースヒット!!ゆったりとテイクバックをとって、リラックスしているようなバッティングに感じた。大島氏:「早いボールを狙っていって"間"が取れているので、甘く入ってくれば変化球でも対応は出来るだけの状態。変化球を最初から待っていたような打ち方ではない。体が上手く反応している。体は疲れているだろうが、バッティング内容、状態はいい。」

第2打席2-0-2 ランナー:一塁・三塁 初球、外角低めへ縦に割れるカーブ(129km/h)が外れてボール。大島氏:「よくボールが見えていると思う。打ちにいってあれだけ柔らかくは中々見送れない。」2球目、インコース低めへの速球?(143km/h)を見送ってボール。3球目、外角低めへの緩いカーブ?を引っ掛けてセカンドゴロ。非常に厳しいコースだった。カウント2-0から打ちにいくにはもったいなかったかもしれない。それでも変化球に対してもギリギリまで体を開かずにボールを呼び込んで、右肩が開かずに体の正面で捉えていた。松井の思ったより外にボールが来ていたのでは。ボールが遠いために腰が引け気味だった。大島氏:「ボール2からキタッと思って振りにいったのでは。それで力が入った。」

第3打席1-0-2 ランナー:三塁 初球、ワイルドピッチでセカンドランナーは三塁へ。2球目、外角やや低めへ第2打席で打ち取られた球と似たようなカーブ?(127km/h)が入ってくる。そして今度はレフト方向へ強い打球を打ち返す。きたーーーーーーー!!レフト方向への打球にかなりテンションが上がる。緩い変化球にワンテンポ、タメを作って引き付けてから強引に引っ張るのではなくレフト方向へ。腰がしっかり入っていた。また右肩が開かず体の正面で捉え、ボールとバットとの距離がしっかり取れているように見えた。それなのに、サード・フィギンズが横っ飛びキャッチ。その後素早い送球でファーストでアウト。思わず、くそーーーーー!と叫んでいた。フィギンズ、いらんところで好プレーしてからに。結果はサードゴロ。大島氏:「流すというよりもピッチャーの足元へ打ちたいという打撃だった。それで、バットの角度でレフト方向へいった。」

松井のコメント:「いいバッティングだったと思う。抜けていれば1点入っていたので残念でした。守備が良かったという事でしょう。しようがない。野球とはそういうもの。それが勝敗を分けることもある。」

第4打席2-1-0 ランナー:なし 初球、外角高めに大きく速球が外れてボール。2球目、真ん中低めへの速球(151km/h)を見送ってストライク。ボールの見逃し方に余裕を感じた。3球目、外角低めへの変化球(135km/h)を見てボール。4球目、高さは真ん中、インコースへの速球(151km/h)を捉えるもセカンド正面へのライナー。ボールを呼び込んでギリギリまで、どの球にも対応できるような中立な状態が続いている気がした。隙がないよいうなバッティングに見えた。今は、崩され難いのでは。インコースへの球威のある速球にも打ち負けることなくしっかりと打ち返していた。状態の良さを感じた。

今の松井は、落ち着いてボールを見極められているし、体の開きがなくリラックスした状態で間合いを作ることが出来ているのでは。松井の大事にしているボールを捉えるまでのバランスがバッティングに幅を持たせたような気がする。そのために球種、コース共に柔軟に対応することが可能となっているのかなぁと思った。今季の集大成のバッティングをしているようなイメージがある。今日は、好守に阻まれたり、野手の正面をついたりしてツキがなかったが、明日は、きっと試合の流れを決める大きな仕事をやってのけてくれるに違いない。チャンスで気持ちがスカッとするようなタイムリーを放ってくれるイメージが頭に浮かぶ。頑張れ〜、松井!!あっそうだ、明日は試合ないんだ。残念!!このいい感覚が続いてくれることを願っています。

<試合内容>
2回表、松井が2ベースヒット、続くカノーがタイムリー2ベースヒットでヤンキース先制。

2回裏、2死一塁でショート横へのゴロ。ジーターが必死で止めてセカンドへトスをするが、カノーが落球し、今日もカノーにエラーがつく。カノーどうしたんでしょう。次の打者の打球はカノーのところへ。カノーがさばいてチェンジ。

3回表、ロドリゲスが四球で出塁し盗塁を成功させる。ジアンビが四球。シェフィールドが内野ゴロで一塁・三塁のチャンス。しかし、松井はセカンドゴロでこの回無得点。

チャンスで得点できず嫌な流れ。

3回裏、9番がヒットで出塁するが、ヒットエンドランでフィギンズが空振りし、二塁でランナーを刺す。ヤンキースにとって大きなプレー。

4回裏、1死一塁からセンター前に抜けようかという当たりをカノーが滑り込みながらキャッチし、打者をアウトにする。ランナーがスタートを切っていて、カノーはちょうどベースカバーに入ろうとしていたというヤンキースにとってはラッキーな面があった。

5回表、ロドリゲス四球、ジアンビ2ベースヒットで1死一塁・三塁。シェフィールドの内野ゴロで1点。その後、キャッチャー後逸で2死三塁。松井はサード横への強い打球だったが、好守に阻まれこの回1点止まり。

5回裏、ソロ本塁打を打たれる。1-2。

6回表、ウィリアムズの2ベース。2死三塁となるが、ジーターが凡退。

6回裏、ロドリゲスがなんでもないゴロを捕球できずエラー。ロドリゲスはシーズン序盤、よくイージーミスをしていたことを思い出した。無死で2番・カブレラを出塁させてしまう。3番アンダーソンはショートフライ。ゲレーロ倒れてランナーは2塁へ。モリーナのタイムリーで同点。2-2。

7回表、四球のロドリゲスが盗塁失敗。ちょっと無理があった。ヤンキース大きな流れを掴み損ねる。続くジアンビが三振。

7回裏、先頭バッターが、高いバウンドの打球で内野安打。続く打者のバントの処理を王が焦り送球が逸れてオールセーフ。更に送りバントで1死二塁・三塁 これがエンジェルスらしさなのか。フィギンズが浅いセンターフライ。しかし、2番・カブレラに2点タイムリーが出る。そつのない攻撃。ヤンキースは、あとを投げるピッチャーがいなく、王建民を引っ張ってしまった。その後ライターが登板しこの回を締める。

8回裏、この回もライターがマウンドへ。モリーナが2試合連続ホームラン。ここでライターからプロクターへ交代しこの回を締める。

9回表、ポサダがK.ロッドからソロホームランを放つが、追撃は一歩及ばずヤンキース敗退。

2回表、ヤンキースが先制し、今日もヤンキースが有利に試合を運ぶかに思われた。その後、エンジェルスがエンドランを失敗したり、カノーのラッキーな好守があったりと、ヤンキースは何とかエンジェルスの攻撃をしのいだ。しかし、3回には1死一塁・二塁のチャンスをものに出来ず、5回には1死一塁・三塁のチャンスに1点しか取れず、ヤンキースに嫌な雰囲気が流れ始める。
6回のロドリゲスのエラー、7回の王のバント処理のミスをエンジェルスは逃さず得点に繋げた。松井はこのシリーズの前、エンジェルスについて「非常にいろいろなことを確実にしてくるチーム。スキがあまりなく、バランスがとれている。今年はヤンキースが苦手にしていたし、かなり手ごわい相手だと思う。弱みにつけ込み、自分たちが有利な展開に持ち込むチーム。」と評していた。全くその通りの展開となってしまった。一筋縄ではいかない、かなりしぶといチームだなぁという印象を受けた。本当に、先発投手、リリーフ投手、打撃、守備のバランスが完璧に思われた。
昨日は、早め早めにリリーフ陣を投入してきたトーリ監督だったが、今日は打たれてからピッチャー交代という後手にまわった。ワンポイントでピッチャーを出したくても、信頼のおけるピッチャーがいなく、リリーフ陣に不安を持つヤンキースの弱みが出た形となった気がした。やはり同点では、ゴードンは出せないということか。
結局、王建民は、6回2/3を投げ被安打6、失点4、自責点1、与四球0だった。前回の緊張した投球とは違い、持ち味のゴロを打たせてとるピッチングを遺憾なく発揮した。与えた四球が0というのは凄い。7回2アウトからの失点だけが悔やまれた。
いずれにしても、終始ヤンキースの流れは悪かったように感じた。エンジェルスは、先発ピッチャーが踏ん張り、打撃陣が効率的な攻撃でじわじわプレッシャーをかけてきて、相手のペースで試合運びをさせてくれなかった。

これで次のジョンソンが先発の試合は、絶対に落とせなくなった。ヤンキースはいかに相手に隙を見せずに粘り強く戦えるかが勝負になるのでは。頑張れ〜、ヤンキース!!

地区シリーズ・第1戦 ☆
4打数・1安打・0打点  
通算
試合数 打数 安打 本塁打 打点 打率 出塁率 長打率 OPS
松井 1 4 1 0 0 .250 .250 .250 .500
松井:5番・レフト先発出場
先発:ムッシーナ【W,1勝0敗】(IP:5.2 H:5 R:0 ER:0 BB:0 ERA:0.00)

『対戦ピッチャー』
・vs コロン(R)【Career:10-3 avg .300】:第1・2・3打席
・vs シールズ【Career:8-2 avg .250】(R):第4打席

第1打席2-2-2 ランナー:一塁・二塁 初球、インコース寄り真ん中へのやや甘い速球を打ってファール。若干球威に押されている感じだった。ポストシーズン初打席、初球だったのでちょっとぎこちない振りに見えた。2球目、高さは真ん中、外いっぱいの速球(156km/h)を見送ってストライク。2球で追い込まれる。3球目、真ん中低めへのワンバウンドするチェンジアップ(142km/h)を見てボール。球威のある速球がある中でチェンジアップをしっかり見ることが出来たというのは、状態はいいのでは。4球目、外角やや高めへの速球(155km/h)を一瞬タイミングが遅れるもカットで逃げる。体の反応は松井の思い通りいっているのでは。松井は、ボールかストライクか確認する余裕があった。5球目、低めに速球(150km/h)が大きく外れる。6球目、真ん中やや高めへの速球を打ってファール。やや速球に押されている印象。しかしバットは振れているのでは。7球目、インコース低めへの速球(153km/h)に対して振り遅れることなく捉え、一・二塁間を抜ける痛烈なライト前ヒット!!早めにテイクバックをとって、右足をステップする際、一瞬止まったような"間"があったように感じた。そして、ギリギリまで体を開かずにボールを引き付けていてシーズン終盤の状態の良さは続いているのでは。

松井のコメント:「それまで厳しいところに来ていた。最後だけ甘く入ってきた。(2球で追い込まれたことについて)考えることはない。打つしかない。」

第2打席2-2-0 ランナー:なし 初球、高さは真ん中、外角への速球を打ってファール。2球目、外角よりやや高めへの速球(153km/h)を打ってファール。やや振り遅れ気味だったが、しっかり松井自身のスイングをしていた。3球目、外角真ん中への速球(153km/h)をカット。最後まで松井の形で振り切っていた。1球、インコース低めへの変化球が外れたあとの5球目、インコース高めへの変化球(134km/h)を打ってファール。緩い変化球に待ちきれずに巻き込むようなバッティングだった。再びインコース低めへの変化球を見せたあとの7球目、外角低めへの見逃せばボールと思われる逃げながら沈む変化球に空振り三振。完全にタイミングを外されバッティングを崩された。インコースへの球の残像があったのかもしれない。

第3打席2-1-1 ランナー:一塁 初球、外角へのツーシームがボールかと思われたが、ストライクと判定。バッターにとっては厳しい判定だった。2球目、外角低めへのツーシーム?(143km/h)を見送ってボール。1球、外角へのツーシームを見せた後の4球目、高さは真ん中、外角へスーッと逃げていくツーシーム(145km/h)に泳がされ、引っ掛ける形になりセカンドゴロ併殺打。松井は打ったあとアーっと叫んで悔しがった。見逃せばボールだったかもしれないが、初球に同じようなコースをストライクと判定されている。思わず手が出てしまったというようなバッティングだった。引き付け切れず上体だけで打ったという感じに見えた。また、タイミングが取りきれず、しっかりとした間合いが作れなかったのかもしれない。

第4打席1-1-2 ランナー:なし 初球、インコース寄り低めへの速球を打ってファール。2球目、外角低めへの逃げながら沈む変化球(138km/h)を見送ってボール。最後、キャッチャーは外角低めに構えていた。しかし、外角高めに速球(151km/h)が入ってきた。それを捉えて、セカンドの横(センター寄り)を抜けるかという当たりだったが、セカンドの好守に阻まれセカンドゴロ。バットが折れた音がしたような気がした。やや詰まっていたのかもしれない。しかし、第3打席目とは違い基本的にセンター方向へ素直に打ち返すことを意識したバッティングに感じた。ただ、ちょっと気になったのが、いつもよりテイクバックの時に右肩が内側に入ってきているように見えたこと。ニュートラルな状態でボールを呼び込むことを妨げ、やや強引さを含むバッティングになった要因なのかなと思った。また内に右肩が入ることで、バットが遅れて出てきたり、待ちのバランスが崩れたりするのかなぁと考えたりした。大島氏は、右肩が内に入りすぎることで逆に肩の開きが早くなると語っていた。


<試合内容>
松井は、「プレーオフに出られてあらためてよかったです。また緊張感のある戦いができるのがうれしいです。気持ちも体もしっかりと準備をしてグラウンドに立ちたいです。」と語って試合に臨んだ。トーリ監督は、「エ軍は打線が整っている。強打者がいれば、細かい野球もできる打線。それに対抗するために投手陣に厚みを持たせた。」と話していた。

初回、いきなりヤンキースがチャンスを迎える。コロンは、速球(ツーシーム、フォーシーム)でぐいぐい力で押してくるピッチングだった。その速球が甘く入ったところをヤンキース打線が見逃さず捉える。2アウトから、ジアンビ、シェフィールド、松井とヒットで満塁のチャンス。ここで9月・10月、当たりに当たっていたカノーが打席へ。ホームランも可能なんじゃないかと期待して見守った。すると外角寄りへ甘く入ってきた速球を見事にレフト方向へ打ち返す。打球はぐんぐん伸びていき走者一掃の2ベースヒット。ボールを引き付けて強いレフトへの打球。ルーキーとは思えない広角に打てる技ありのヒット。カノー、やる〜!!これで一気に3点が入る。好投手・コロンが相手ということで、打線がここまで繋がったのは、まるで難しい綱渡りを成功させたような喜びがあった。

トーリ監督のコメント:「(カノーが追い込まれて外角低めをカットした場面について)あの状況であれができるのだからたいしたものだ。」

2回表にも一塁・二塁のチャンスで、ジアンビにタイムリー2ベースヒットが出て追加点を挙げる。初回、2回と2死ランナー無しから得点につなげるというヤンキース打線の勝負強さが出た。

援護点を貰ったムッシーナは、落ち着いたピッチングを披露。前回の登板では初回から崩れ1回1/2で降板していたが、しっかりとこの日に合わせて調整をしてきた。さすがベテラン。試合前ムッシーナは、「調子はいいし、ケガも心配ない。公式戦最終戦で登板しなかったので休みも十分だ。」と話していた。
ニュース記事には、「今回の地区シリーズでひとつの鍵となるのは、盗塁王に輝いたチョーン・フィギンズ三塁手が起点となるエンゼルスの機動力野球をヤンキースがいかに封じるか。今年のレギュラーシーズン中、ヤンキースは27回盗塁を試みられ、21回の成功を許しているだけに、このシリーズでは足の速い選手を出塁させないことが重要となってくる。」とあった。ムッシーナも「フィギンズら足の使える選手を抑えられるようにベストを尽くすし、大量失点は避けたい」と語っていた。その1番・フィギンズには出塁を許さず、2番のカブレラにはヒット1本を許すも盗塁は無し。完璧にエンジェルスの機動力を発揮させず、波に乗らせなかった。

ムッシーナは6回ゲレーロにヒットを打たれたところで早めの交代。5回2/3で被安打5、無四球、失点0の好投だった。その後をライターが対左打者として引き継ぐ。7回先頭打者を三振にとってスターツに交代。スターツは変わってすぐソロホームランを打たれるが、その後1人を打ちとってゴードンに継投。ゴードンがライトフライで7回を締める。この回3人のピッチャーを小刻みに投入してきたトーリ監督。ランナーが溜まってからではなく、塁上が綺麗な場面で早め早めの継投。相手に隙を与えないトーリ監督の采配がピタリとはまった。
8回もゴードンが投げきり9回はリベラ。1死からゲレーロが四球、盗塁で2塁へ。次の打者の高いバウンドをした打球をセカンドカノーが後ろに逸らし1失点。続く打者は、ショートへのゴロでジーターがセカンドへ送球、ダブルプレーを取れるタイミングだったがカノーは、一瞬、一塁への送球が遅れ、更に送球が逸れて一塁はセーフ。その後、リベラがサードフライに打ちとって試合終了。

今日は、いい面も悪い面も出て最後まで魅せてくれたカノー。(^^)まさにカノーデーだった。しかし、守備の不安を補って余りある打撃でのチームへの貢献。上位打線から5番の松井が繋いだ場合、カノーがキーとなる。今後も期待してますよカノー君。頑張れ〜。

この試合、ジーター、ジアンビ、シェフィールドが2安打だった。一方、2番・ロドリゲスは1死球ながらノーヒットだった。ロドリゲスが打てない時はジアンビが、ジアンビが打てない時はロドリゲスがカバーすれば問題ない。ジーターが出塁して、ロドリゲスかジアンビどちらかが繋いで安定しているシェフィールドに回すという展開。そして、クラッチヒッター松井がダメ押しをする。こんな感じで打線が機能するといいな。

5回裏、松井がレフト線へのファールフライを帽子を飛ばしながらスライディングキャッチ、8回裏には、シェフィールドが大きなライトへの当たりをジャンピングキャッチと外野の守備がピッチャーを盛り立て、試合のリズムを作ったのは大きかった。

松井のコメント:「追いかけている途中に、いけるかな、と。ファウル(ゾーン)だったし、思い切っていった。」

松井は、試合前コロンに対して、「球も速いし、コントロールもいい。ストレートもツーシームもカッターも、いろんなボールを投げる。コントロール次第。甘く来るか、甘く来ないか。(そして)甘く来たら打てるかどうか。でもそれは、どのピッチャーでも同じ。早いカウントから難しい球を打っても仕方ない。打てる球を待ちます。」と語っていた。第1打席、速球には押され気味だったが、厳しいコースを見極めて打てる球をひたすら待って、最後は捉えた。松井の追い込まれてからの勝負強さが光った。その後は、インコースの球を見せ球にして、決め球は外へ逃げていく変化をする球を効果的に使われ打ち取られた。明日からも外角への逃げていく球をどう攻略するかが鍵となりそう。頑張れ〜、松井!!最終戦で見られたレフト線への強い打球を再び。

松井のコメント:「まあ、打てるに越したことはない。ただ基本的に勝つことだけが目標ですから。」

今日は、21勝投手・コロンが先発ということで苦戦が予想された。ヤンキースは、初回のワンチャンスをしっかりものにして勝ちに繋げた。コロンから挙げた今日の一勝はかなり大きい。これで波に乗れる。コロンが相手では初回のようのな展開は稀だと思われる。第5戦までもつれ込めば再びコロンが出てくるはず。それまでにヤンキースは勝負を決めておきたい。明日もエンジェルスの機動力を封じることが出来るか。

<追記>
短期決戦では自分の打撃を追い求め過ぎても良くない。この日の試合前練習では、いつもの手元ぎりぎりで打たず、とにかく強い打球を意識していた。試合後にはすぐにこの日の全打席をビデオでチェック。3年連続の大舞台で、気持ちにも余裕が生まれている。
〜(スポーツ報知)〜